無料で使えるAI製ターミナル「WorldTUI」が登場、コマンドを実行せずにAIが画面を再現
キーボードからの入力に応じてターミナルの画面をAIが予測する「WorldTUI」が公開されました。実際のコマンド実行やファイル操作を行う仕組みを持たず、AIがターミナルの動作を再現するのが特徴です。約3億6000万パラメーターのAIモデルを使用しており、WebGPUに対応したブラウザから無料で試すことができます。
WorldTUI - a terminal imagined by a neural network
https://simedw.com/projects/worldtui/
WorldTUI: I trained a 360M model to pretend to be a terminal - SimEdw's Blog
https://simedw.com/2026/10/21/world-model-terminal/
通常のターミナルであれば入力されたコマンドをOSが処理して実行結果を文字で表示しますが、WorldTUIではユーザーが入力したキーと画面の状態から次に表示される内容をAIが予測して表示する仕組みとのこと。
WorldTUIを開発したのはソフトウェア開発者のサイモン・エドワードソン氏。エドワードソン氏はGoogle DeepMindの世界生成AI「Genie 3」に触発され、AIが操作に応じて環境の変化を予測する仕組みに興味を持ったとのこと。ゲームのような複雑な3D空間を再現するには大量の学習データや計算資源が必要なため、文字が格子状に並ぶシンプルなターミナルを再現することにしました。
開発にはプログラミング向けAIモデル「Qwen2.5-Coder-0.5B」を使用。実際のターミナルでコマンドを実行し、キー入力と画面の変化を記録した約33万6000件のデータを使って追加学習させています。画面全体を毎回生成すると処理に時間がかかるため、変更が必要な行だけを更新する仕組みも採用しました。
さらに、画面の複数の行を並行して生成することで表示速度を改善。GeForce RTX 4090を使ったテストでは大きな画面更新にかかる時間の95パーセンタイル値が6.7秒から0.87秒に短縮されました。ただし、行を個別に生成すると表示内容に矛盾が生じることがあるため、生成結果を検証して修正する仕組みも採用したとのこと。
また、元のAIモデルから不要なパラメーターを削除して約3億6000万パラメーターに削減し、さらに数値を4ビットに圧縮する「量子化」を行ってデータ容量を約208MBまで減らすことでブラウザ上での動作を実現しています。
実際にWorldTUIではファイルの作成や編集に加え、テキストエディターの「Vim」、ターミナル画面を分割できる「tmux」、ヘビを操作するゲーム「Snake」などの動作を再現できます。ファイルに書き込んだ内容を後から読み出すことも可能で、AIが過去の操作を踏まえて画面を生成していることが分かります。
ただし、実際のファイルシステムを管理しているわけではないため、複雑な操作では矛盾が生じることもあります。例えば、ファイルに文字列を追記してから内容を表示すると、追加した文字列が反映されない場合があるとのこと。Pythonの簡単な計算は再現できるものの、実際にPythonを動作させているわけではないため複雑な処理では誤った結果を表示することがあります。
エドワードソン氏はWorldTUIを実用的なターミナルとして開発したわけではなく、AIが内部の仕組みを知らなくても一貫した動作を再現できるかを調べる実験だと述べています。今後は操作方法やルールが異なる大量のアプリケーションを学習させ、AIが初めて見るアプリケーションの動作まで予測できるか試したいとのことです。
KioskNews shows a cleaned-up reading view extracted from the publisher’s page — the original always lives on their site, not ours.



