【レビュー】走っている場所を教えられる ガーミン「fēnix 9 Pro inReach」が便利&安心!
fēnix 9 Pro - inReach
ほとんど毎年恒例となっている、ガーミンのスマートウォッチの新製品発表。2026年の今年は、一部機種で衛星通信にも対応した「fēnix 9」シリーズが登場しました。
長らく同じfēnixシリーズを使ってきて、現在は2世代前のfēnix 7 Proを24時間365日身に付けている筆者としては、地球上のほとんどどこにいても連絡が取れるという「fēnix 9 Pro - inReach」が気になったので、メーカーからお借りして試してみました。
fēnix 9シリーズは、スタンダードな「fēnix 9」と、フラッグシップの「fēnix 9 Pro」の2種類に大まかに分けられます。後者のProにはさらに「inReach」が名前に付くモデルがあり、こちらがウォッチ単独で通信可能なモデルです。
fēnix 9 Pro - inReach
もっと細かく言うと、Proの方では液晶と有機ELというディスプレイ違いのモデルがあり、ソーラー発電の有無やケースサイズ(43/47/51mm)、標準バンド色が異なるバリエーションモデルもあります。価格レンジは(スタンダードモデルも含めると)14万8,000円~23万8,000円です。
ちょっと混乱しそうなラインアップの豊富さですが、基本機能はほぼ同一なので、電池もち重視なら液晶ディスプレイかソーラー発電(Dual Power)のモデルを、どこでも通信したいならinReachを、サイズやバンド色はお好みで、という感じになるでしょうか。
今回試したのはfēnix 9 Pro - inReachの有機ELディスプレイ、ケースサイズ47mmのオレンジ(Autumn)バンドモデルです。公式サイトでの価格は19万8,000円で一応20万円を切っていますが、フラッグシップらしいお値段ではあります。
右は筆者所有のfēnix 7 Pro。MIP液晶なので視認性はそこまで高くないものの省電力
右側面にボタン2つ(決定、キャンセル)
左側面にボタン3つ(メニュー、上選択、下選択)
前側面にはLEDライト。暗いところをのぞき込むときなど、意外と活躍の場は多かったりする
ということで、このfēnix 9 Pro - inReachに絞って基本的な機能を紹介すると、ランニング、サイクリング、筋トレをはじめ多様なアクティビティの記録・管理、心拍・睡眠記録などの健康管理やアドバイス、64GBの内蔵ストレージへの楽曲保存・再生、電子マネーのモバイルSuica対応など、盛りだくさんの内容になっています。
454×454ドットの高精細な有機ELディスプレイ
アクティビティ中に表示した地図は細部までくっきり
ヘルスデータ関連のグラフも見やすい
音楽データやポッドキャストなどをウォッチにダウンロードして再生可能
動作時間は、基本的なセンサー類が使える「スマートウォッチモード」で約18日間というスタミナ。「頻繁に充電しなくても、毎日アクティビティを記録でき、ちゃんと睡眠ログが取れる」というのも、地味な部分ではありますが、スマートウォッチとしては重要です。
心拍などを計るセンサー部はfēnix 7から(見た目上は)変更がなさそう
LTEと衛星通信、料金体系は?
しかし、目玉となるのはやはり通信機能です。LTE対応のeSIMを内蔵し、さらに今回の新モデルからは衛星通信にも対応することで、地上の携帯基地局の電波が届かない場所でも情報のやり取りができます。
LTEや衛星通信を使いウォッチ単体で情報をやり取りできる
衛星通信で利用できるのはメール、ショートメッセージの2つで、LTEではそれに電話が加わります。あらかじめ登録しておいた連絡先相手との間で、ウォッチ単体でテキストメッセージの送受信や音声通話が可能です。緊急SOSメッセージにも対応します。
あらかじめスマホアプリ「Garmin Connect」で連絡先を登録しておく
ちなみに連絡先にはinReachアドレスというものも指定できます。これは衛星通信経由の専用メールアドレスで、ガーミンの衛星通信対応モデル同士で直接やり取りするためのものです。スマホやパソコンからこのアドレス宛にメール送信しても届きません。
通話やメッセージ送受信には専用のサブスクプランが必要です。最も安価な「ENABLED」(月額1,180円)から、最も高額な「PREMIUM」(同7,480円)まで4段階に分かれており、衛星通信の上限や、上限超過時の従量課金額がプランにより異なります。
inReachのプラン別機能・料金表(ガーミンのWebサイトより)
たとえば衛星通信でのテキストメッセージは、ENABLEDプランで1回あたり73.5円、トラッキング/位置情報リクエストは同18.4円(10分間隔)というような設定です。これがPREMIUMプランになるとほとんどの機能が無制限(サブスク料金に含まれる)になります。
ただしLTE通信のみ使いたいのであれば、どのプランでもテキストメッセージ、音声通話、位置共有などすべてが無制限です。「衛星通信が必要な場所に頻繁に行く」のでない限り、ENABLEDプランで十分ではないかと思います。
また、プラン変更には手数料がかからないので、必要になったときだけ一時的にプランをアップグレードする、というのもアリでしょう。
どこでも通信できると、どこにいるかを教えられる!
さて、今のところ衛星通信が必要になりそうな山岳・海洋などにはほとんど足を運ばない筆者としては、LTE通信ができれば大満足です。
とはいえ、ウォッチだけで通話・通信しなければならないシチュエーションが本当にあるのか、と思うかもしれません。でも実際、日常的にもいくつか活躍するシーンは考えられます。
まず、万が一外出先でスマホを忘れた(もしくは壊れた、紛失した)ときでもすぐに家族や友人、関係者に連絡が取れます。誰かに頼ったりすることなく、状況報告できる、助けを呼べる、というのは大きいと思います。
ウォッチでメッセージアプリを立ち上げて、登録済みの連絡先を送信先に指定
定型文から選ぶか、ウォッチの画面から文字入力して送信
近くにスマホがあればスマホ側で文字入力してウォッチ画面に反映できる
また、fēnixシリーズはモバイルSuicaにも対応しているので、公共交通機関での移動についても心配いりません。出先で財布もスマホもなくなって帰れない、みたいな致命的なアクシデントがあったとしても自力でなんとかなるでしょう。常にある程度チャージしておく、という前提にはなりますが。
しかしそれよりも、個人的に一番魅力に感じていたのが、スマホを持たずとも家族や仲間に居場所を知ってもらえる、ウォッチ単体での「Live Track」機能が使えることです。
Live Track機能。アクティビティを開始すると自動で共有相手に通知が届く
通常、アクティビティ中に自分の居場所を他の人に伝えたい場合、Google マップなどのスマホアプリで位置共有するか、ガーミンのアプリに以前からあるLive Track機能を使います。が、以前はその設定をしたうえでスマホを携帯しなければなりませんでした。
けれど、ランニング中にスマホを携帯するなんて、個人的には罰ゲームではないか、と思うくらいには邪魔くさいのです。手に持って走るなんてもってのほか。ポケットにしまうのも中でスマホが暴れるので無理。身体にぴったりフィットさせるスマホポーチみたいなものもいくつか購入しましたが、重いし邪魔です。
なので、スマホをランニングに携帯する(スマホ版Live Trackを使う)という選択肢は元からなかったのですが、fēnix 9 Pro - inReachなら(正確には前モデルから)、ウォッチさえ身に付けていればLive Trackで位置情報を共有できます。共有相手は、筆者が走り始めたらその通知を受け取り、今いる場所を地図上でほぼリアルタイムに確認できるのです。
共有相手のスマホで、リアルタイムに近い現在位置を地図表示
筆者はこれまで、ランニングに行く前に家族に一言声をかけていました。でもfēnix 9 Pro - inReachでアクティビティをすれば、どうせ場所が分かるだろうからその手間が省ける……というわけではないものの、もし声をかけ忘れても「気が付いたらいないし、一体どこをほっつき歩いとるねん」みたいに家族から思われることは減るでしょう。
また、アクティビティ中も互いにメッセージをやり取りしたり、通話したりもできるので、「走ってくるついでに買い物してきてよ」みたいな頼まれごとをこなせなくもありません。まあ、汗だくなのであまりお店とかにはお邪魔したくないのですが。
それはともかく、単純に「どこを走っているのか」をその場で「見える化」できるのはきっと安心ですし、面白いのではないでしょうか。もし走っている途中で万が一倒れてしまったときでも、地図上の位置を元に早期に発見してもらえる……と思うので、筆者としても安心です。一応。
ウォッチ単体で位置共有できるから、身軽に&安心して走れる
通信・通話で少しだけ注意しておきたいところも
フツーのランニングだけでなく、山岳地帯を走り回るトレイルランニングにハマったりして、地上からの電波が届きにくい場所に出かけるようになったとしても、衛星通信可能なfēnix 9 Pro - inReachがあれば心強いでしょう。
位置情報の共有も便利ですが、基本的なメッセージの送信も定型文から選んで素早く送れるなど、小さなウォッチ画面でも簡単に扱えますし、通話の操作にもストレスはありません。ただ、いくつか注意しておきたいところもあります。
1つは、ウォッチ側から送ったショートメッセージ(ショートコード)は、スマホの標準メッセージアプリなどで受信できるものの、スマホからウォッチへの送信(返信)はできません。代わりに専用のメッセージアプリ「Garmin Messenger」を使うことで返信可能です。
通常のメッセージアプリ(左)は返信不可だけれど、Garmin Messenger(右)なら返信OK
通話については、ウォッチ内蔵のマイク・スピーカーやBluetooth接続したヘッドセットで可能ではあるものの、ウォッチ内蔵マイクについては感度が絞られているのか、口をウォッチにかなり近づけないと相手に声が届かない(マイクが声を拾わない)ようでした。
どれも「不便で困る」というほどではなく「そういうもの」と思っておけば全く問題はありません。が、使い始めるときのために頭の片隅に入れておくと良さそうです。
いずれにしても、24時間365日のアクティビティ管理、健康管理、家族との常時位置共有など、いくつもの「安心」につながる機能によって、fēnix 9 Pro - inReachは日常の必須アイテムになるのでは、なんて思います。
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