[ITmedia ビジネスオンライン] 全社員3600人にChatGPTを配ったら、月半ばで「トークン枯渇」 クレディセゾンは想定外の事態をどう乗り切った?
2026年6月、社内の生成AI利用が拡大することで、AI使用量を示す「トークン」の消費量が指数関数的に増え、想定期間の半ばで利用枠に達してしまう「トークン枯渇」に陥ったのだ。
2019年から小野氏を中心に社内DXを推し進め、直近では全社AI活用を本格化し「AIトランスフォーメーション戦略」に舵を切ったクレディセゾン。「トークン枯渇」問題をどう乗り越えたのか。
本稿はSansanが開催したユーザーカンファレンス「Innovation Summit 2026」のセッション「クレディセゾンが実践する最先端のバックオフィスAX―明日から生かせる組織と実務の変革メソッド」を基に構成。
全社員約3600人に「ChatGPT Enterprise」を配布
「プログラマーだけでなく、総合職を中心に会社全体でどうAXを進めていくかにフォーカスしています」
小野氏は、エンジニア以外の社員も含めたAI活用が必要と強調する。
小野和俊・CDO(最高デジタル責任者)兼CTO(最高技術責任者)(編集部撮影)
クレディセゾンは2025年9月から掲げた「AIトランスフォーメーション戦略」の一環として、同年9月1日から国内全社員約3600人に「ChatGPT Enterprise」を配布した。
導入後の利用状況は、2026年3月時点で月に1回以上利用する社員が91.7%。小野氏が登壇直前に確認した数字では96%に達していたという。
利用が広がる中で、複数の生成AIを使い分ける方針も採り入れた。
画像やスライドの生成に強みを持つサービスがあれば追加導入し、その後、別のサービスの性能が向上すれば再び見直す。ChatGPT Enterpriseを基盤としながら、GeminiやMicrosoft Copilot、Claude Code、OpenAI Codexなども用途に応じて利用している。
「この用途はこのAIが強い、というのを見極めながら臨機応変にマルチAIを使っていくことが社内で定着してきました」
月半ばの「トークン枯渇」、どう対応したのか
全社展開から約9カ月がたった2026年6月、クレディセゾンはAIの利用枠を月半ばで使い切る事態に直面した。
ChatGPT Enterpriseでは、月間クレジットが毎月初め、150万クレジットにリセットされる仕組みだった。しかし、社員の利用が急速に広がり、月の半ばである6月15日にクレジットが枯渇。AIが使えなくなるわけではないものの、応答速度を重視した「インスタントモード」以外の機能が利用できなくなった。
そこで小野氏が社内に呼びかける際に使ったのが、コピー機の例えだ。
「複合機では『白黒とカラーで値段が違うから、ちょっとした打ち合わせではカラーを使わないでね』という話がありますよね。これと同じで、AIの使い方も『カラーコピー問題』だと伝えました」
つまり、基本はクレジット消費の少ないインスタントモードを利用し、じっくり考えさせる機能や画像生成、音声モードなどは必要な場面のみで使うよう呼びかけた。各事業部や部門の会議でも周知した結果、クレジットの消費状況は改善し、月内の利用を継続できるようになったという。
「白黒でいいときにはインスタントモードを使う。よほど重要な場面では、もちろん高度な機能を使っていい。比喩として非常に分かりやすかったですね」
KioskNews shows a cleaned-up reading view extracted from the publisher’s page — the original always lives on their site, not ours.