<時価総額300兆円超>アンソロピックがIPO申請、目論見書で浮き彫りとなった「倫理的で安全なAI開発」のジレンマ | ビジネス | 東洋経済オンライン

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「私たちの目標は、この技術革命を通じて人類が安全な道筋を描けるよう支援し、新たな発見の領域を切り開き、奇跡の時代をもたらすことだ。機関投資家であれ個人投資家であれ、当社の株式を保有するすべての人が、その取り組みの一部になる。この志を皆さんにも共有していただき、最後までともに歩んでいただけることを願っている」
AI(人工知能)開発のアメリカのアンソロピックは10月26日、IPO(株式上場)に向けた目論見書を米証券取引委員会(SEC)に提出した。ダリオ・アモデイCEOら創業者たちは目論見書で、AIを賢く安全に使うメリットとリスクを挙げたうえで、利益を重視した判断をしないことがあるなどと説明し、冒頭のメッセージで結んだ。
11月にもアンソロピックは上場し、1000億ドル(約15兆8000億円)を調達するとみられる。1年前は「オープンAIの最大のライバル」という枕詞がついていたが、この1年でその名を聞かない日がないほどの存在になった。
米中で過熱する主導権争い
アンソロピックの売上高は急成長している。2026年1〜6月期の売上高は約162億ドル(2兆5500億円)と、前年同期比14倍に拡大。営業損失は6.9億ドル(約1090億円)となり、前年同期の21.3億ドル(約3365億円)の赤字から縮小した。最終損益は、企業価値評価額の上昇に伴って転換社債などの負債の評価額が膨らんだことで807億ドル(約12兆7500億円)の赤字を計上している。
同社の生成AI「クロード」を採用する顧客は増えており、直近12カ月(9月末時点)の売上高のうち、10万ドル以上使う顧客数は1万1900社超、100万ドル以上は1900社超、1000万ドル以上使う顧客も約250社いると開示している。
時価総額は最大2兆ドル(約315兆円)を目指しているが、一方で「倫理的で安全なAI」を続けるうえでのいくつかの課題にも直面している。
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くらさわ みさMisa Kurasawa
米ニューヨーク大学ジャーナリズム学部/経済学部卒。東洋経済新報社ニューヨーク支局を経て、日本経済新聞社米州総局(ニューヨーク)の記者としてハイテク企業を中心に取材。帰国後、2006年に東洋経済新報社入社。メディア、食品、電力企業などを担当後、週刊東洋経済編集部→東洋経済オンライン編集部で副編集長、編集委員。25年4月から報道部で電機やAI業界を担当。夢は古着屋。気がつくと食事のことを考えている。
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