錦織引退、関係者が語る 盛田正明さん「十分やってくれた」―いよいよ現役最後の大会「テニス・錦織圭のインパクト」(上)
試合を観戦する盛田正明さん=2月6日、東京・有明コロシアム
男子テニスで今季限りでの引退を表明している元世界ランキング4位の錦織圭(36)=ユニクロ=は、30日開幕の木下グループ・ジャパンオープン(東京・有明テニスの森公園)が最後の大会となる。テニスの歴史に残るスターの引退に、深く関わった人たちがさまざまな思いを語った。
錦織圭「悔いなく終わりたい」 30日からジャパンOP―男子テニス
◇「この子、面白いな」
小学生の錦織を見て「この子、面白いな。非常にいい勝負勘を持っている」と感じたのは、元ソニー副社長でテニス界にも大きな貢献をした盛田正明さん。これまで多くの有力選手の成長を支えてきた「盛田正明テニス・ファンド」の創設者で、日本テニス協会の会長も務めた。13歳で渡米した錦織はファンドの初期に支援した選手だ。
盛田さんは「外国というのが平気になる選手をつくりたい」との思いで若手の支援を始め、有望な選手を米フロリダ州のIMGアカデミーに送って腕を磨かせた。基本は2年の期間で、設定した課題をクリアした選手のみ3年目以降もサポート。「錦織は見事にクリアして、プロに転向した17歳までやり遂げた」とうれしそうに回想する。
引退決断の報告を受けた時は、「自分が限界だと思ったなら、それ以上やれとは言えない。十分、やるだけのことはやってくれた」と受け入れた。子どもの頃から将来の成功までを見通していたわけではない。全米オープン準優勝など想像を超えるような功績を残した錦織に、賛辞を贈る。
◇松岡さん「学ばせてもらった」
日本協会の強化育成副本部長で、指導者や解説者としても長く錦織を見てきた松岡修造さん。出会いは12歳以下の全国大会で、「今まで見たことがない日本人のテニスのスタイルだった」。自身が主宰するジュニアの合宿でもさまざまなことを伝えたが、「どちらかと言うと僕が学ばせてもらった時間が多かった」と振り返る。
「ラケットとボールとコートを使って何かのゲームをしている。遊んでいる感覚」は、錦織と四大大会通算20勝のロジャー・フェデラー(スイス)にしか感じたことがないと言う。
錦織は18歳で、松岡さん以来で日本選手2人目となるツアー優勝を果たした。2011年10月には、松岡さんが現役時代に記録した日本勢最高位の世界ランク46位を超えた。日本テニス界にとって大きな出来事だったが、松岡さんは「そういうレベルの話ではない。四大大会で勝てる、早くトップ10にという思いがあった」と話す。
「今後、錦織がどれだけすごかったかというのを、みんなが理解し始めるのではないか」とみる。さらに「彼は会うだけで刺激になり、人生を変えられる力を持っている」と言い、引退後もテニス界に良い影響をもたらすことを願っている。
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