大の里、涙の復活V 「腹を決め、走る」―大相撲秋場所
賜杯を前にした土俵下で、大の里は人目をはばからずに泣いた。昨年九州場所で左肩を痛め、その後は2場所連続で休場するなど不振にあえいだ。安青錦との3敗による相星決戦を制し、感情があふれ出たようだった。
「けがをして、どうなるかと思っていた。この景色だけを見たくて頑張った。うれしい。また優勝できるのかと、考えた時期もあった」。本音も交え、感慨に浸った。
もろ手で当たって大関を起こすと、休まず攻めて突き出した。これぞ横綱という完勝。取り口は、この日の起床時から思い描いていたという。
「腹を決め、走る。弱気にならない相撲を取ることだけ考えた」。13日目から2連敗した悪い流れを断ち切った姿は、復活を印象付けた。
3場所ぶりに皆勤した7月の名古屋場所。9勝に終わったが、復調への手応えを感じ、休場は「全く考えなかった」と振り返る。苦境の中でも、土俵に立ち続けた経験は心身を強くした。
師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)も、ふがいない成績だった先場所を踏まえ、「悔しさも、恥ずかしさもあったのだろう。それが今場所の糧になった」と語った。
12勝を挙げた優勝に、大の里は満足していない。「また強い横綱を見せられるように精進する。ハイレベルな優勝を目指す」と、最高位の威厳をにじませた。
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