[ITmedia News] 「クリスタ」素材、大量非公開でユーザー混乱 人物だけでなくペンや公式素材まで セルシス「誤判定もあった」が……
著者
岡田有花
[ITmedia]
セルシスのイラスト・マンガ制作ツール「CLIP STUDIO PAINT」向け素材共有サービス「CLIP STUDIO ASSETS」で9月22日までに、多くの投稿素材が一斉に非公開になった。人物の3Dモデルなどに加え、ペン素材や食事用ナイフの素材が削除されたとの報告もあり、「非公開の基準が分からない」と混乱が続いている。
同社は23日「運用方針にそって確認を行う中で、非公開となる素材が増えている」「年齢や文化、地域によって受け止め方が大きく異なる表現もある」などと説明。誤判定で削除した素材もあるとし、再公開すると告知したが、具体的にどんな素材が非公開になるのかは分かりにくいままだ。
人物の素体からペン、フキダシまで……「基準が不明」
非公開は22日ごろから、素材の投稿者やユーザーの報告で明らかになった。
人間のポーズや3Dデータだけでなく、ナイフとフォークの3Dデータ、フキダシ素材やトーン素材、セルシスが公式に配布していたペンの素材など、性的な表現とは無関係と思われる素材まで非公開になっているとの報告も相次いだ。
また「同じ系統でも残る素材と落ちる素材がある」「どう修正すれば再公開されるのか分からない」と困惑が広がった。
「基準が分かりにくいことは認識」「購入済みなら再ダウンロード可能」
セルシスは22日午後、公式Xで「ガイドラインに沿って投稿素材の公開状態を運営で変更する場合がある」と説明。23日には「説明が不足していることもあり、ご心配やご不安をおかけしております」と謝罪した。
同社の説明によると、掲載の可否は「特定の部位や表現だけで一律に決まるものではなく、素材全体の内容や見せ方、掲載情報などを含めて確認している」という。基準が分かりにくいとの指摘は認識しているとし、今後は掲載ルールの説明や代表的な例を充実させると述べた。
また、購入済みの素材が非公開になった場合で、「マイダウンロード」から再ダウンロードできるよう改修したと23日夜に発表した。
誤判定は再公開 表示制御を強化へ
非公開になった素材のうち、判定に誤りがあったものと、問題のない状態に修正されたものから確認を進めて再公開するとも表明。ただ、なぜ今大量に非公開にしたのかや、誤判定が起きた理由は説明していない。
同社は「作品や作者の表現そのものを否定するものではない」とも強調。年齢や地域、利用者の設定に応じた表示制御を強化し、「すべての利用者に表示するか、まったく公開できないかの二択ではない」形を目指すとした。
クリスタ「80%以上が海外ユーザー」 セルシスの業績好調
同社によると、CLIP STUDIO PAINTの全世界での累計出荷本数は9月に7000万本を超え、直近1000万本では90%以上を海外ユーザーが占めているという。8月31日の発表では、「全世界で6000万人以上に利用されており、その80%以上が海外ユーザー」だと説明している。
直近1000万本では90%以上を海外ユーザーが占めているという(セルシスのニュースリリースより)
各国の教育機関で採用されている(セルシスのニュースリリースより)
業績は好調だ。2026年12月期中間期は、売上高が前年同期比17.4%増の55億6300万円、営業利益が44.8%増の22億2100万円。通期の売上高は創業以来初めて100億円に届く見込みだ。
国内外の教育関連団体との連携も強めており、8月31日は英国政府の学生支援政策と連携するNPO団体「NASMA」と公式パートナーになったと発表していた。Xでは、「国際展開や教育機関との連携を考えればレーティングの強化は避けられない」との見方も出ている。
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