スパイ罪実刑の製薬会社社員、来月中国から帰国か 3年6月の刑期満了へ
アステラス製薬本社=東京都中央区
【北京時事】中国でスパイ罪により懲役3年6月の実刑判決を受け服役しているアステラス製薬の60代の日本人男性社員が、12月中旬に出所して日本に帰国する見通しであることが7日、分かった。出所日は12月14日の方向で最終調整中とみられる。複数の日中関係筋が明らかにした。
男性は2023年3月、北京での駐在任期を終えて帰国する直前に突然拘束され、24年8月に起訴された。北京市第2中級人民法院(地裁)は25年7月の判決公判で、中国関連の情報を情報機関に提供し、報酬を得たとしてスパイ活動を認定したが、具体的な活動内容には言及しなかった。
日本政府はこれまで、首脳会談や外相会談などの場で繰り返し、男性の早期解放を要求。しかし、中国側は応じない上、拘束に至る経緯について詳細な説明をしていない。未決勾留期間がどれくらい算入されるか不透明な部分も残るが、12月中旬の出所なら刑期満了となる見込み。
中国は習近平政権下の14年に反スパイ法を制定。それ以降、スパイ事案で計17人の日本人が拘束され、この男性を含め5人が今も服役中だ。日中関係の改善は見通せず、中国への出張者や在留邦人の間では「何をしたら捕まるのか全く分からない」(駐在する日系企業幹部)と不安が続く。
中国は今月18~19日に広東省深センでアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を開く。現地で高市早苗首相と習国家主席の会談が行われれば、男性の出所も議題に上る可能性がある。だが、中国は台湾有事を巡る昨年11月の高市首相の国会答弁に反発したままで、会談実現のハードルは非常に高い。
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