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Tuesday, October 27, 2026

OpenAIが数学・コンピュータサイエンス・物理学における調和解析・計算複雑性理論・量子場理論に関する3つの新たな発見を発表、指数時間仮説は誤りである

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そのため、OpenAIは外部の専門家に連絡し、新たな成果を理解するためのグループを組織し、取りまとめ役を担ってもらえるよう依頼しました。そして、専門家からは以下の3つの公開方法を提案されたそうです。

・数学の成果については、AIの出力を公開し、研究者が自由に集まって成果の解明に取り組めるようにする。
・コンピューターサイエンスの成果については、成果を説明するための外部共同研究グループを結成する。同時に、誰でも検討・発展させられるようにAIの出力を公開する。
・物理学の成果については、外部共同研究グループを結成し、資料の公開はそのグループの判断に委ねる。

この3つの方法のうち、どれが最も有用かは「まだ分からない」とOpenAIは記しています。そのため、何がうまく機能し、何を改善できるかについては、広く世間からの意見を募集していく予定だそうです。

加えて、OpenAIは外部との共同研究では以下の4原則に従うと説明しました。

1:透明性
共同研究の存在を明らかにします。参加者に秘密保持契約への署名を求めることはありません。参加者は研究について自由に議論し、途中段階の成果物を共有し、結論を公表できます。

2:学術的功績を求めない
OpenAIは社内モデルが生み出した発見について、学術的な功績を求めません。また、研究者に共同研究の取りまとめを依頼したからといって、その研究者や作業グループが最初の発見をしたことを意味するわけではありません。

3:貢献の評価
グループが深めた理解、執筆した解説、作成したその他の資料については、相応の評価が与えられるべきです。その研究が依拠する研究者・手法・アイデアに適切なクレジットが付けられるように、グループに協力してもらいます。

4:独立性
参加は任意かつ無報酬です。作業グループのメンバーは独立した立場で参加し、結論は各自の見解となります。メンバーがOpenAIを代弁することも、OpenAIがメンバーを代弁することもありません。

これらの成果に関する資料や成果物は、共同研究グループに引き渡します。コンピューターサイエンスグループは、自然言語による証明と、定理証明支援システム・Leanによる形式化を直ちに公開することを決めました。そのため、OpenAIのGitHubリポジトリで直接公開されることとなります。一方、物理学のグループは、AIが生成した成果物の公開を見送り、自分たちで論文としてまとめることに決めたそうです。

今回の発見内容は以下の通り。

◆局所平滑化と掛谷集合予想
数学の成果は、関数や波を周波数成分に分けて調べる「調和解析」に関するものです。1991年に数学者のクリストファー・ソッジは、波動方程式の解が、時間を局所的に平均化(積分)した際に、空間的な滑らかさ(正則性)がどれだけ向上するかを定量的に評価する「局所平滑化予想」を提唱しました。

無作為に選んだ典型的な時点での集中の度合いは、最も極端な時点で起こり得る集中よりも、常にはるかに小さくなります。これは数学全般でよく見られる構図だそうです。この予想が扱う現象は根本的なものであるため、解析学の幅広い領域に影響します。例えば、局所平滑化予想が成り立てば、掛谷予想と制限予想も成り立つこととなります。

2019年には空間2次元における局所平滑化予想が証明されており、2025年には3次元の掛谷予想が証明されています。OpenAIは「我々のAUモデルは、あらゆる次元で局所平滑化予想が起こることを証明しました。これにより、掛谷予想と制限予想も、すべての次元で解決されることとなります。新たな証明は、新しい補助的な偏微分方程式に基づいています」と記しました。

OpenAIによると、AIの出力を得たのは2026年10月18日のことで、翌日にLeanを用いて形式化を実行。その後、OpenAIはこの成果を扱う共同研究グループの結成について、専門家に相談しています。そして専門家からもらった助言に従い、今回の成果を2026年10月6日の発表と同じ方針で一般公開しました。モデルが生成した自然言語による解説原稿と、Leanによる証明の両方は、GitHubリポジトリで公開されています。

◆指数時間仮説は偽である
コンピューターサイエンスの共同研究グループは、指数時間仮説に関する成果を理解し、説明することに取り組みました。指数時間仮説は、ブール論理の充足可能性、つまり変数への真偽値の割り当てによって論理全体を真にできるかという問題の計算量に関する、長年の予想です。

指数時間仮説は広く正しいと考えられており、グラフ理論・計算生物学・データベース・計算幾何学など、幅広い分野の数百本の論文で条件付きの計算複雑性理論を導くために使われてきました。驚くべきことに、OpenAIのシステムは指数時間仮説が偽であることを証明しました。その結果は後にLeanで検証されています。

「指数時間仮説の反証によって、これらの課題をどこまで高速化できるかという問いが再び開かれ、より優れたアルゴリズムを探す手掛かりになる可能性があります。ただし、そうしたアルゴリズムを見つけ、理論的な進展を実用上の改善につなげるには、さらに多くの研究が必要です」とOpenAIは説明しています。

なお、指数時間仮説の反証の検証および取りまとめは、カリフォルニア大学サンディエゴ校のラッセル・インパリアッツォ氏、ラマモハン・パトゥリ氏、マサチューセッツ工科大学のライアン・ウィリアムズ氏が率いる研究グループが担当する予定です。

OpenAIは「コミュニティによる独立した検証を容易にするため、成果に関するすべての生データを公開すること」「この研究が分野全体に及ぼす影響を理解するための会議にOpenAIが資金を提供すること」というグループからの要請に同意。グループは指数時間仮説に関する主張を公開の場で検討する取り組みの組織化に協力し、AIが生み出す画期的成果が提起するであろう、検証・アクセス・功績の帰属・研究の未来といった幅広い問題について議論するよう、コミュニティに呼び掛けました。

OpenAIのAIは、2026年10月16日に指数時間仮説の自然言語による反証に成功。その後、10月17日にLeanで形式化しました。この取り組みの一環として、モデルが生成した自然言語による解説原稿と、Leanによる証明の両方が、GitHubリポジトリで公開されています。

◆量子色力学の存在と標準模型の補完
物理学の共同研究グループは、4次元でゲージ場とフェルミオンを含む、特定の相互作用する場の量子論について、数学的に厳密な存在証明を与える成果を理解し、説明することに取り組んでいます。対象には、強い相互作用を記述する量子色力学と、素粒子物理学の標準模型を統一的に補完する理論が含まれます。

OpenAIの研究は、構成的場の理論における数学者タデウス・バラバンのアプローチに基づいています。また、その一部には純粋なヤン=ミルズ理論の存在証明も含まれます。これは、クレイ数学研究所が設けたミレニアム懸賞問題のひとつである「量子ヤン=ミルズ理論」の一部です。

標準模型は、自然界の4つの基本的な力のうち、重力を除く3つについて、基本的な素粒子同士の相互作用を説明します。今回の存在証明が対象とするのは、標準模型のゲージ場とフェルミオンを含む、最も単純な大統一理論です。

量子色力学は、クォークやグルーオンなどの粒子が、強い力を介して相互作用する様子を説明するもの。純粋ヤン=ミルズ理論は、クォークなどの物質を扱わず、力を媒介するグルーオンの自己相互作用だけを説明します。

これらの研究の取りまとめは、デイビッド・グロス氏が率い、マイケル・ダグラス氏、アーサー・ジャッフェ氏、イーゴリ・クレバノフ氏、ニキータ・ネクラソフ氏らが参加するグループが担当予定です。

OpenAIによると、AIモデルは2026年9月9日にヤン=ミルズ理論の存在について自然言語による証明を、9月18日に量子色力学の証明を行いました。研究が長大かつ複雑であることを踏まえ、Leanによる形式化が完了するまで公開を延期したため、発表のタイミングが10月末までずれ込んだそうです。ヤン=ミルズ理論の存在については、2026年10月16日に形式化を完了しています。

OpenAIは「研究成果を公開し、科学者と連携して発見を加速するための最善の方法について、引き続きご意見をお待ちしています」と記しています。

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