世界最長の海底沈埋トンネル建設がサイバー攻撃で停止
フェーマルン・ベルトトンネルは陸上で製造した巨大なコンクリート製のトンネル部材を海中に沈めて接続する「沈埋トンネル」として建設されています。完成すれば世界最長の沈埋トンネルとなるフェーマルン・ベルトトンネルは当初2029年の開通が予定されていました。
しかし、建設工事やドイツ側の関連施設の整備が遅れており、デンマークの事業主体であるSund & Bæltは道路を先に開通させ、その後に鉄道を開通させる2段階の計画に変更する方針を2026年5月に明らかにしました。新たな開通予定日は、最初のトンネル部材を海底に設置した結果を踏まえて決めるとしています。
そんな中、トンネルの建設を担当する国際企業連合のFemern Link Contractors(FLC)がサイバー攻撃を受け、Sund & BæltがFLCから「サイバーセキュリティ上の問題が発生した」との報告を受けたことを明らかにしました。
FLCにはデンマーク、ドイツ、フランス、ベルギー、オランダの企業が参加しており、約2800人が働いています。建設現場にはポーランド人労働者も多数参加していますが、今回の攻撃によって多くの作業員が業務を遂行できなくなったと報じられています。
デンマークの地方紙であるLolland-Falsters Folketidendeによると、攻撃によってFLCの主要なITシステムが停止し、建設作業に深刻な影響が出ているとのこと。ポーランドのニュースメディア・RMF24は、作業員が入場に必要なIDカードを利用できなくなったほか、海上で作業する船舶やクレーン、作業用プラットフォームも稼働できなくなったと報じています。
今回の攻撃が国家による妨害工作の一環である可能性も指摘されています。デンマークのデジタルセキュリティ評議会のヘニング・モーテンセン氏は、軍事攻撃以外の手段で社会を混乱させる「ハイブリッド戦争」との関連を否定できないと指摘しました。ただし、攻撃者の正体は判明しておらず、ロシアなど特定の国家が関与したことを示す証拠は確認されていません。
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