[ITmedia ビジネスオンライン] OpenAIが「数学論文722本」を一挙公開 「AI企業の技術独占」に数学界が猛反発したワケ
» 2026年10月12日 08時00分 公開
[湯川鶴章、エクサウィザーズ AI新聞編集長]
米OpenAI(オープンAI)は10月6日、未公開の社内AIモデルが生成した数学論文722本を、GitHub(ギットハブ)で一括公開した。論文は関連する研究成果ごとに372グループに分類され、数論、幾何学、理論計算機科学など幅広い分野の未解決問題を扱っている。
米OpenAI(オープンAI)は、未公開の社内AIモデルが生成した数学論文722本を、一括公開した(以下写真提供:ゲッティイメージズ)
1指示で論文生成 謎のAIモデル
OpenAIの公式発表によると、今回の成果は社内の最先端AIモデルに約4000件の数学の未解決問題を与え、解答を試みさせた結果だ。1件の成果を得るために使った計算資源は、平均で「ChatGPT Pro」の高度な推論機能を約3時間動かす場合に相当するという。
公開された研究には、数学の最も有名な未解決問題の一つであるリーマン予想に関連する成果や、ホッジ予想の一部に当たる「CM型アーベル多様体」に関する証明、4次元空間における掛谷予想の解決を主張する論文などを含む。ただし、リーマン予想やホッジ予想の全体が解決されたわけではない。
OpenAIは今回、論文の多くについて、数学的な証明が正しいかをコンピュータで検証できるプログラミング言語「Lean」を使った形式化データも公開した。ただし、全ての論文が形式的に検証されているわけではなく、一部の証明に問題が含まれている可能性もある。公開された論文は学術誌の査読を経ておらず、数学界による独立した検証はこれからとなる。
成果を生み出したAIモデルの名称や詳細な仕様は公表されていない。OpenAIは、ほぼ全ての成果が単一のAIエージェントに一度指示を与えるだけで得られたと説明している。研究者が、同じモデルを使って結果を再現できる状態にはなっていない。
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