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Monday, October 26, 2026

Bluetoothの電波はどこまで届くのか?巨大なアンテナで12km先から信号を受信する実験に成功

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Bluetoothはワイヤレスイヤホンやスマートフォンなどで広く使われている無線通信規格で、一般的な機器では数mから数十m程度の距離で利用されています。長距離通信にはLoRaなどの別の無線通信技術が使われることもありますが、今回はBluetoothの電波がどこまで届くのかを検証するため、12km先からの受信が目標に設定されています。

実験で使用したのは、利得が24dBiの大型グリッドアンテナです。アンテナの利得は特定方向の電波を送受信する能力を示す数値で、今回のアンテナは広い範囲から届く微弱な電波を集め、受信機に送り込むことができます。nktbuildsはアンテナを組み立てた後、木製の棒に固定し、受信機やケーブルを取り付けました。

なお、今回の大型アンテナは受信専用で、電波の送信には使用していません。24dBiのアンテナを送信に使用すると特定方向への実効的な放射電力が約250倍になるため、ヨーロッパで適用される100mWという出力制限を超えてしまうとのこと。そのため、実験では小型のBluetoothタグから電波を送信し、大型アンテナで受信するという一方向の構成が検証されています。


また、nktbuildsは長距離通信を実現するために、Bluetooth Low Energy(BLE)の「Coded PHY」という技術を利用しました。Coded PHYはデータに冗長な情報を加えて送信することで、弱い電波でも受信側がデータを正しく読み取りやすくする仕組みです。データ転送速度は低下しますが、その分だけ遠くからでも信号を受信できるようになります。


今回のBluetoothタグには、Nordic Semiconductor製の「nRF54L15」が採用されました。タグの送信出力は+8dBm(約6mW)で、受信側の感度は-104dBmです。nktbuildsによれば、従来型のESP32を使った受信機の感度が-94dBm程度であるのに対し、今回の構成ではさらに弱い電波を受信できるとのこと。


実験に先立ち、nktbuildsは送信出力やアンテナの利得を加算し、距離による電波の減衰やケーブルでの損失を差し引いて、通信可能距離を推定しました。その結果、今回の構成では12km先での受信強度が約-89dBmとなり、受信感度の限界である-104dBmを15dB上回る計算となりました。障害物のない理想的な環境であれば、約70km先まで受信できる可能性もあると推定しています。


しかし、最初に行った500mの予備実験で予想外の問題が発生しました。計算上は-61dBm程度で受信できるはずでしたが、実測値の中央値は-89dBmで、予測より28dBも弱い結果となりました。アンテナの方向や高さを調整しても改善は限定的で、nktbuildsは設置場所に問題があると判断。


原因として考えられたのが、アンテナと地面の距離です。電波は送信機と受信機を結ぶ一直線上だけでなく、その周囲にも広がりながら伝わります。この広がりを持つ領域は「フレネルゾーン」と呼ばれ、500mの距離では中央付近の直径が約8m、12kmでは約38mに達します。予備実験では双方のアンテナが地上約1.6mの高さに設置されていたため、地面で反射した電波が直接届く電波と干渉し、受信強度を低下させたと考えられました。


そこでnktbuildsは、送受信機をそれぞれ高い場所に移して再挑戦しましたが、今度は双方の間に樹木が存在するという問題が発生しました。


また、アンテナの向きを正確に合わせることも難しかったため、デジタルコンパスを使用して互いの方向を確認しながら、信号が届くのを待つことに。数分間にわたって信号を受信できない状態が続きましたが、最終的に受信機が-102dBmの信号を検出。その後も受信に成功し、13分間で合計3個のパケットを受信できたとのこと。nktbuildsによると、送受信地点の距離は約13kmで、当初の目標だった12kmを上回る結果となりました。

ただし、受信強度の-102dBmは受信感度の限界である-104dBmをわずか2dB上回る値で、通信にはほとんど余裕がありませんでした。障害物のない環境を想定した計算では約-89dBmになるはずだったため、実測値は約13dB低くなっています。nktbuildsは、送受信地点の間にある樹木が電波を弱めたことが主な原因だと考えています。

今回の実験により、Bluetoothでも条件が整えば10kmを超える距離から電波を受信できることが示されました。一方で、成功したのは13分間でわずか3個のパケット受信であり、安定した双方向通信が実現したわけではありません。nktbuildsも、「実用的な長距離通信にはアンテナの適切な設置や見通しの確保が必要」と認めています。その上でnktbuildsは、Coded PHYに対応したBluetoothは用途や条件によってはLoRaなどと並んでIoT機器の通信手段として検討する価値があると評価しました。

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