[ITmedia News] 米中間選挙で民主党が上下両院を奪還 AI規制強化に現実味、IT大手の株価は上昇
11月3日(現地時間)に投票が行われた米中間選挙で、民主党が上下両院の過半数を獲得した。共和党がホワイトハウスと議会の両方を掌握していた状況が変わり、ドナルド・トランプ政権のIT政策にも影響が及ぶ見通しだ。特に、AIデータセンターの建設規制や、米IT大手に対する議会の監視強化が注目されている。
米CNBCによると、民主党は議会での調査権限を活用し、AI企業への監視を強める構えだ。民主党のグレッグ・カサー下院議員は、AI企業のCEOを議会に招致し、宣誓証言を求めるべきだと主張しているという。AIによる雇用への影響なども焦点になるとみられる。
AIインフラの拡大にも逆風が吹いている。テキサス州では、民主党のジェームズ・タラリコ氏が共和党のケン・パクストン氏を破り、連邦上院議員に当選した。同氏は選挙公約で、AIによる利益への課税と国民への還元、データセンターの電力・水使用に関する規制強化、IT大手への税制優遇の廃止などを掲げた。また、SNS企業に対しては、未成年者へのアルゴリズムによるターゲティングの禁止などを求めている。
勝利を宣言するジェームズ・タラリコ氏(画像:YouTubeより)
米The Washington Postによると、少なくとも38の自治体などでデータセンターの建設を禁止または制限する住民投票が可決された。データセンターの集積地であるテキサス州知事選でも、データセンター新規建設承認の一時停止を訴える民主党のジーナ・イノホサ氏が現職の共和党知事を破った。大量の電力や水を消費するAI施設への反発が、選挙結果にも表れた格好だ。
一方、Reutersによると、4日の米株式市場ではAmazonの株価が一時7.4%上昇し、Meta、Alphabet、Microsoftの株価も2~6.3%上昇した。新たなデータセンターの建設が制限されれば、既存の設備を保有する大手企業が有利になり、設備投資負担も軽減されるとの見方が背景にある。
ただし、民主党が議会を掌握しても、共和党のトランプ大統領には法案への拒否権(VETO)がある。AIに関する包括的な連邦法の成立は不透明で、当面は議会による企業への調査や、州・自治体レベルでの規制強化がIT業界への主な影響となりそうだ。
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