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Wednesday, October 28, 2026

「刑務所でベジマイトを食べるのはオーストラリア人の権利」と受刑者が主張するも敗訴

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今回の訴訟を起こしたのは、ビクトリア州のバーウォン刑務所に収容されているアンドレ・マッケクニー受刑者です。マッケクニー受刑者は1994年に起きた殺人事件で有罪判決を受けて終身刑を言い渡されており、クイーンズランド州からビクトリア州の刑務所に移送されています。

ビクトリア州の刑務所では2006年頃からベジマイトの持ち込みや提供が禁止されています。マッケクニー受刑者はこの禁止措置がオーストラリアの文化を享受する権利を侵害しているほか、健康や幸福を維持するための適切な食事を受ける権利にも反すると主張しました。

マッケクニー受刑者は法廷で「ベジマイトは幼少期から親しんできた食品であり、家族や家庭、祖国であるオーストラリアを思い出させる存在だ」と説明。また、ベジマイトを食べられないことで自分の文化を実践する機会を奪われ、悲しみや家族、地域社会との断絶を感じていると訴えました。

一方、刑務所側は「ベジマイトの禁止には安全上の理由がある」と説明しました。刑務所側によると、ベジマイトには強い独特のにおいがあるため、刑務所内の違法薬物などを発見する探知犬の働きを妨げるおそれがあるのこと。また、受刑者が刑務所内で密造酒を造る際にベジマイトが発酵を促進するために利用される可能性も指摘しています。

2026年10月26日、ビクトリア州最高裁判所のクレア・ハリス判事は判決の中で「ベジマイトはオーストラリア出身の人々と強く、伝統的に結び付いた食品であり、文化的な意味を持つ」と述べ、ベジマイトがオーストラリアの文化の一部であること自体は認めました。

一方でハリス判事は、ベジマイトの全面的な禁止が文化的権利を制限することを認めつつも、刑務所の安全や秩序を維持するという目的から正当化できると判断。ビクトリア州の法律では「刑務所は受刑者の健康と幸福を維持するために十分な食事を提供する必要がある」と定められていますが、この規定が受刑者の幸福感を高めるために文化的な意味を持つ特定の食品を提供する義務まで課すものではないと説明しました。

そして、マッケクニー受刑者がベジマイトを食べられないことで悲しみや孤立感を覚えているという主張についても、ハリス判事は「その感情がベジマイトの不足によって生じているとは考えにくく、むしろ刑務所に収容されていること自体に起因する可能性が高い」と指摘しました。同時に「オーストラリアの文化に触れる方法はベジマイトを食べることだけではなく、国内の音楽や書籍を楽しんだり、禁止されていない食品を食べたりすることでも文化的な活動は可能」と述べています。

オーストラリア国内の刑務所でベジマイトの扱いが統一されているわけではありません。クイーンズランド州、南オーストラリア州、タスマニア州では禁止されている一方、ニューサウスウェールズ州では一部の受刑者が購入できます。それでもハリス判事は「他州で認められているという事実だけではビクトリア州でも同様の措置を取れることの証明にはならない」という判断を下しました。


ビクトリア州司法・地域安全保障省は判決を歓迎し、「職員と受刑者の安全確保が最優先事項であり、今後も刑務所の運営上および安全上の要件に従って持ち込み可能な物品と禁止物品を管理していく」と語りました。

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