[ITmedia News] パナのBDレコーダーが“クラウド録画”に対応 何ができて、何ができない?
著者
芹澤隆徳
[ITmedia]
パナソニックは9月14日、Blu-ray Discレコーダーの新製品として「全自動ディーガ」5機種を発表した。目玉機能は、初の“クラウド録画”対応だ。録画番組を長期に保存する手段としてはBlu-ray Discや外付けHDD、NASなどが一般的だが、なぜパナソニックはクラウド録画に対応したのか。
クラウド録画対応「全自動ディーガ」の最上位モデル「DMR-4X1010」(出典・パナソニック)
ディーガのクラウド録画は、米Microsoftの「OneDrive」、および米Googleの「Googleドライブ」に対応し、最大10TBまでの録画番組をクラウドに保存できる。
パナソニックが挙げるクラウド録画のメリットは主に3つ。
1)内蔵HDD容量不足の解消(外付けHDDを購入する必要がない)
2)本体のHDDが故障した場合でも、録画した番組が残る
3)クラウド録画した番組は、公式アプリ「どこでもディーガ」(iOS、Android)を使って外出先のスマホでも視聴できる
基本的には、これまでの外付けHDDやNASと同じようにクラウドを録画媒体として使えるようだ。ただ、一般的なクラウドサービスのイメージで使おうとすると不便さを感じるかもしれない。
例えば、2)の残った録画番組を再生したい時、クラウドにあるからといって自分のPCで再生することはできない。再生環境はクラウド対応ディーガのみだ。
仮に使っていたディーガが修理できなかった場合は、クラウド録画に対応するディーガを改めて購入し、アプリのどこでもディーガから「クラウド録画引継ぎサービス」を申し込む必要がある。
「クラウド録画引継ぎサービス」のアプリ画面イメージ。故障したディーガでもペアリング履歴が残っていれば選択できる(写真=左)。引継ぎ先は事前にクラウド未登録である必要がある(写真=右)(出典・パナソニックのWebサイト)
クラウド録画の制約
テレビ番組のクラウド録画は、パナソニックが初めてというわけではない。今年4月にデジオンのテレビ視聴アプリ「DiXiM Play」が対応し、併せて専用クラウドサービス「DiXiM U Cloud」の提供を始めている。
これらのサービスを可能にしたのは、2025年10月31日に放送サービス高度化推進協会(A-PAB)が公開した「受信機のクラウド録画対応に関する要件」。内容としては、ARIB(電波産業会)が策定した要件をまとめたもので、つまりは放送局側が「これならOK」と納得した内容になっている。
テレビ番組のデジタル録画を巡っては、これまでもコンテンツ保護の仕様など幾度となく放送事業者と機器メーカーの間で議論が行われ、1つずつ機能を拡張してきた経緯がある。今回はそれをクラウドにまで広げた形だ。
ただしクラウドの場合、本来は容量に制限はなく、またユーザーが同じアカウントでPCなどから利用する可能性もあるなど、外付けHDDとは環境が異なるため、相応の要件が盛り込まれた。
例えばクラウド録画を行うためには、レコーダーとクラウドサービスをバインド(特定のIPアドレスやポート番号などを専用に割り当て、結びつけること)した上で、番組にローカル暗号を施し、他の機器では再生できなくする必要があった。
またクラウドに蓄積できる番組数や容量は、家庭用録画機と同等程度であることも求められた。全自動ディーガの場合、最上位モデル「DMR-4X1010」が10TBのHDDを搭載しているので、クラウド録画容量も最大10TBまで可能になったのだろう。
さらに、クラウド録画には非対応の「放送局」も存在する。地上波は問題ないが、BSデジタルの「アニマックス」「ディズニー・チャンネル」、110度CSデジタル放送の「ムービープラス」「ザ・シネマ」など20局の番組はクラウドに録画できない(25年10月末時点)など、意外と制約は多い。
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