中間選挙で敗れたトランプ氏が〈米中ロ3者会談〉に踏み切るとアジアに何が起きるのか…米識者の警告と日本が備えるべきこと | 政治・経済・投資 | 東洋経済オンライン

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トランプ大統領は、11月18日から中国・深圳で開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議での習近平国家主席、プーチン大統領との三者会談に前向きだ。米中の取引にロシアまで加わる場で、日本の安全保障が交渉材料にされたなら……
アメリカの対アジア政策に詳しいクレアモント大学院大学のテッド・ゴーバー教授に聞いた。
トランプ氏は中国にさらに譲歩する
――中間選挙により民主党が上下院で過半数を占めれば、トランプ大統領は議会承認の不要な首脳外交や通商・武力行使に逃げ場を求めると予測していますね。
そこで警戒すべきは、対中交渉で一点突破を狙うトランプ政権がアジア戦略で視野狭窄に陥る可能性だ。トランプ氏が習近平国家主席との間で巨額の通商合意や自らの政治的レガシーづくりを追求するため、台湾問題での譲歩や在日・在韓米軍の駐留規模・運用の見直しが取引材料とされるリスクがある。
そもそもトランプ氏が望んでいるのは、AIや先端半導体、医薬品、グリーン技術といった重要産業でアメリカの競争力を高め、中国との競争に勝つことだ。一方で、大規模な関税戦争も仕掛けている。彼にとってはすべてが交渉なのだ。中間選挙の後も、貿易では関税の面でさらに譲歩すると予想している。
これまでのところトランプ氏は貿易戦争に勝っているとは言えない。米中ビジネス評議会によれば、2025年のアメリカの対中輸出は26%減り、関連の雇用は約15万人減った。特に大豆農家は対中販売を92億ドル失うなど、打撃は24年の大統領選でトランプ氏を支えた農家などの層に及んでいる。
問題は、同盟国と手を組まずに一対一で中国と向き合っていることだ。日本やEU(欧州連合)、ASEAN(東南アジア諸国連合)と協力すれば、成功の可能性はもっと高まるはずだ。
――中間選挙で共和党が敗れたら、有権者を取り戻すためにトランプ氏が中国に一転して強硬に出る可能性はありませんか。
トランプ氏はもう大統領選挙に出ないので、有権者の動向にはそれほど敏感ではない。2期目には中国にかなり融和的になった。中国による台湾への圧力をほとんど批判せず、南シナ海の軍事化にも反発せず、中国と対立する高市早苗首相を支持してもいない。
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にしむら ごうたGota Nishimura
1992年に東洋経済新報社入社。2016年10月から2018年末まで、また2020年10月から2022年3月の二度にわたり『週刊東洋経済』編集長。2024年10月に執行役員編集局長、2026年10月に論説委員長に就任。2004年から2005年まで北京で中国社会科学院日本研究所客員研究員。著書に『米中経済戦争』(東洋経済新報社)。名古屋大学経済学修士。
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