[ITmedia PC USER] スマホやPCにいる“推し”を手元に――ソニーのコンパクトな空間再現ディスプレイ「ELF-MN1」は今までと何が違う? 実機を体験して分かったこと
ソニーは10月28日、6型の空間再現ディスプレイ(SRD)「ELF-MN1」を12月11日に発売することを発表した。想定価格は5万4000円前後で、ソニーマーケティングが運営する「ソニーストア」(実店舗/ECサイト)の他、主要な家電量販店のECサイトでも販売する。ソニーストア 銀座(東京都中央区)とソニーストア 名古屋(名古屋市中区)では、11月20日から実機の展示も実施する予定となっている。
本製品の発表に合わせて、同社は10月28日に東京都内で報道関係者向けの体験会を開催した。果たしてELF-MN1とはどんな製品なのか――短い時間ながら体験してきた。
報道関係者に披露されたELF-MN1の実機。中に映っているのはXYNのマスコットキャラクター「XYNA(ジーナ)」で、ニュースリリースの1枚目の画像にも出てきている
ELF-MN1の設計プロジェクトリーダーを務めた、ソニーの石橋時光さん
“推しに手が届く”空間再現ディスプレイを作りたい
ソニーでは、SRDを含む空間コンテンツ制作ソリューション全般を「XYN(ジン)」ブランドのもと展開している。ELF-MN1はXYNブランドにおけるSRDの最新モデルで、空間(3D)コンテンツを制作するクリエイターだけでなく、個人のプライベート利用も想定した製品となっている。
業務用SRDとして開発された「ELF-SR1」「ELF-SR2」は医療分野や工業分野を中心に活用されてきたが(参考リンク)、展示会などにおいて両製品に映る3Dアバターを見た個人から「自宅でも3Dアバター(推し)を立体表示したい」という声が多く寄せられたという。
一方で、従来のELF-SR1/SR2は業務用ということもあって値段が高い。現在も販売中のSR2(27型モデル)は実売価格が50万円弱で、個人のXR/3Dクリエイターからすると簡単に手が出せる商品ではなく、「もう少し手頃なSRDが欲しい」という声もあったそうだ。
加えて、SR2は27型と、そもそもサイズが大きい。販売を終了したSR1なら15.6型なので数字だけ見れば持ち運べそうに思えるが、機構の兼ね合いから奥行きが約231mm(アクセサリーを取り付けた場合は約247mm)と意外と場所を取る。そのため、法人を含むクリエイターから「持ち運べるSRDはないの?」「机の上に置きやすいSRDはないの?」といった意見も挙がっていたそうだ。
ソニーの既存のSRDは実売価格が50万円弱と個人で買うには高いという問題があった。加えてサイズも大きいので、展示会に持っていくのも一苦労だった
これらの課題を一気に解決すべく登場したのが、今回のELF-MN1だ。ELF-SR1/SR2で培ってきたSRDの技術的ノウハウを生かし、汎用(はんよう)部材を活用しつつ、サイズを大幅に小型化したものだ。
画面パネルのサイズは6型と、今までのSRDと比べてかなり小さい。これは机上やサイドボードに載せて気軽に使えることを意識したサイズ感だ。ボディーのデザインとカラーも極力“目立たない”ことを意識しつつ、空間との連続性を考慮してスタンド(基部)に透明なアクリル素材を採用している。
画面の投影はマイクロオプティカルレンズ方式で、立体視表示時の最大解像度は1080×2160ピクセルとなる。
開発のコンセプトは「創造の世界を、机の上の“日常”に」だった
机上やサイドボードに置いて使うことを想定して、大幅なコンパクト化を図った
画面サイズも、従来比でかなり小さくなった。表示解像度も控え目だが、それでも立体視モードにおいてフルHD(1920×1080ピクセル)を少し上回る表示は可能である
コンパクト化によって新しい“見せ方”も可能に
ELF-MN1は、従来比で大幅なコンパクト化を果たしている。これにより、従来はできなかった表現も可能となった。
従来モデルでは、小さな箱庭の中で動く3Dオブジェクトをのぞき込むような「Volumetric Spatial Reality」に対応していたが、今回は空間内に3Dオブジェクトが溶け込む「Seamless Spatial Reality」にも対応しやすくなった。
Seamless Spatial Realityという観点でいうと、今回の体験会では“自作”したMN1用ケース(スタンド)を含めて1つのコンテンツとするというアイデアも展示されていて「なるほどな」とうなってしまった。本体が小型になり、日常空間にポンと置きやすくなったことで生まれた表現といえる。
ボディーが大幅にコンパクト化したことで、新たな表現を実現できるようになった
体験会において筆者的に一番“刺さった”活用方法は、メディアアーティストの坪倉輝明さんが制作した「Rain Shelter - 雨宿り」だ。3Dプリンタで公衆電話ボックス風のスタンドを作り、そこにMN1をはめ込むことで「公衆電話ボックスの中にいる3Dアバター」を表現できている
公衆電話スタンドの内部には、MN1のスタンドを持ち上げる傾斜が設けられており、MN1のディスプレイをあえて“垂直”にしていることもポイントだ
加えて、本製品は視線認識センサーとして赤外線(IR)センサーを追加している。これはより広範な環境で利用できるようにする取り組みの1つで、暗めの部屋でも視線をしっかりと追いかけてくれる。
視線認識センサーは、従来製品と同様に画面の上部に搭載されている。赤外線センサーは常時稼働しており、カメラで撮影すると赤外線が出ている様子が分かる(肉眼では分からない)
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