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Sunday, August 30, 2026

「世帯収入が低い人ほど独身」の傾向は個人主義的な国で強いとの研究結果

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アメリカやカナダのほか、ヨーロッパやアジアの多くの国で独身者の割合が増えています。これまでの研究では年齢や学歴、経済的な安定といった個人の事情が独身であることと関係すると報告されてきた一方で、年齢や収入と独身の関係が暮らす国の文化によってどう変わるのかは十分に分かっていませんでした。

そこで研究チームは、世界各国で人々の意識や生活状況を調べる「世界価値観調査」のうち、2017年~2021年に実施された第7回調査の回答を分析しました。対象は59カ国に住む18歳以上の7万1169人で、婚姻状況については既婚者と夫婦同様に暮らしている事実婚の人を「パートナーあり」、独身・未婚と回答した人を「独身」に分類し、離婚・別居・死別した人は主な分析から除外しています。さらに、年齢・性別・住んでいる町の規模・学歴・世帯収入・失業の有無も分析しており、世帯収入については回答者自身が給与や年金などを合わせた自分の世帯収入について、居住国で最も低い所得層を「1」、最も高い所得層を「10」とする10段階のどこに当てはまるかを選んで回答する形でした。

居住国の文化の比較には既存の2つの国別スコアが使用されました。1つ目のスコアである「個人主義-集団主義」は個人の自由・自立を重視する「個人主義」と、伝統や集団を重視する「集団主義」のどちらかを表した指標で、分析に使用された国別スコアではドイツやオーストラリアなどが個人主義寄り、バングラデシュやインドネシアなどが集団主義寄りに位置づけられました。

また、2つ目のスコアである「柔軟性-モニュメンタリズム」は状況に合わせて考え方や行動を変えて長期的な目標のために自制する「柔軟性」と、変わらない自分や誇り、目先の満足を重んじる「モニュメンタリズム」を対比した指標です。論文は柔軟性寄りの例に東アジア、モニュメンタリズム寄りの例にラテンアメリカ、アフリカ、アラブ圏を挙げています。ただし、どちらの国別スコアも個人の価値観を測ったものではなく、同じ国の回答者には全員同じスコアが割り当てられています。

分析の結果、世帯収入と独身者の割合の関係を国の文化別にみると、個人主義寄りの国では年齢や性別など世帯収入以外の条件をそろえた場合の独身者の推定割合が、最も低い所得層では約42%でしたが、最も高い所得層では約14%へ低下しました。一方、集団主義寄りの国では最も低い所得層と最も高い所得層のいずれも6~7%程度で、世帯収入との関係は確認されませんでした。以下のグラフは個人主義-集団主義についての分析結果を示したもので、横軸は世帯収入の階層、縦軸は独身者の推定割合、赤色は集団主義寄り、水色は個人主義寄りの国を表しています。

「柔軟性-モニュメンタリズム」の指標については、国の位置づけによって世帯収入と独身者の割合の関係が異なるとはいえなかったとのことです。

研究チームは、個人主義的な国では若い人が真剣な交際に入る前に経済的な自立を求められやすいため、収入が低かったり仕事がなかったりするとパートナーとの同居や結婚に進みにくい可能性があると考察しています。ただし、国が個人主義寄りか集団主義寄りかによって世帯収入と独身の関係が変わる度合いは小さく、ほぼ無視できる程度だったそうです。

今回の研究は同じ人を継続的に追跡したものではなく、世界価値観調査に回答した時点での世帯収入と結婚・同居状況を分析しています。そのため、世帯収入が低いことで独身になりやすいのか、独身であることが世帯収入に影響するのかという因果関係までは判断できません。研究チームは、独身者が増えている理由を理解するには個人の属性だけでなく、その人が暮らす社会や文化も合わせて考える必要があると結論付けました。

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