政府への意見公募約12万件のうち76%がボットによる偽回答だったことが判明、電子たばこの規制阻止を狙った疑い
イギリス政府が2023年に実施した意見公募で、寄せられた約12万件の回答のうち76%がボットによる不正な回答だったことが判明しました。偽の回答のほぼすべてが使い捨て電子たばこの規制に反対する内容で、国民の声を装って政策決定に影響を与えようとした可能性が指摘されています。
Examining the nature of bot responses to public health consultations: the example of automated submissions to the 2023 UK Tobacco and Vapes Bill | Tobacco Control
https://tobaccocontrol.bmj.com/content/early/2026/10/22/tc-2026-060309
ところが、寄せられた11万8756件の回答を調べたところ、全体の約76%に相当する9万835件がボットによる不正な回答と判定されました。正当な回答として分析対象になったのは2万7921件だけだったとのこと。
不正な回答は少数のIPアドレスから短時間に大量送信されており、似た内容の投稿が繰り返されていました。さらに、ボットによる回答9万835件のうち2件を除くすべてが使い捨て電子たばこの販売規制に反対する同じ質問に集中していたことから、特定の規制に反対する意見を意図的に増やそうとした可能性が指摘されています。
実際、不正な回答を除外すると使い捨て電子たばこの販売規制を支持する回答は有効回答の約8割を占めており、ボットによる大量投稿が意見公募における賛否の割合を大きく変えていました。
エディンバラ大学のネイソン・マーニ博士らは政府の公表資料などを分析し、学術誌「Tobacco Control」で研究結果を発表しました。研究チームによると、公衆衛生政策の意見公募で大規模なボットによる介入が確認されたのは初めてとみられます。ただし、誰が大量投稿を主導したのかは特定できていません。また、政府が使用したボット検出方法は公開されておらず、研究チームは判定結果を独自に検証できなかったとのこと。
イギリス政府は不正な回答を政策決定から除外しており、使い捨て電子たばこの販売禁止は2025年6月1日に施行されました。一方、研究チームはボットの性能向上によって偽の回答を見分けることが難しくなる可能性を指摘。イギリス保健社会福祉省も今後の意見公募で同様の干渉を警戒していくと述べています。
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