[ITmedia News] ChatGPT広告は誰に何を表示しているのか? 米大学が91のおとりアカウントで実態調査
著者
山下(Seamless)
[ITmedia]
Innovative Tech:
2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説する。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。X:@shiropen2
米ペンシルベニア大学や米ハバフォード大学に所属する研究者らが発表した論文「The Beginning of ChatGPT Ads」は、ChatGPTの広告がどのようなユーザーに、どのような基準で配信しているかを調査した研究報告だ。
研究チームは、米国在住の多様なユーザーを模倣するため、異なる人種(黒人、ヒスパニック、白人)、3つの所得水準(低、中、高)を組み合わせた91個のアカウントを作成した。
それぞれの想定居住地域に合わせたネットワークを経由させながら、日常的な疑問から社会問題まで様々な質問を毎日ChatGPTに投げかけ、どのような広告が表示されるかを観察した。調査は2026年2月に開始した。
収集したデータを分析した結果、アカウント作成から約2週間が経過したころから広告が出始めた。そして、設定された所得水準が低いアカウントほど、広告が高い頻度で表示される傾向が確認された。広告を一度でも受信したアカウントの推定世帯年収は6万ドル付近に集中していたのに対し、全く広告を受け取らなかったアカウントの年収は8万ドル付近にピークがあった。
一方で、人種による広告表示頻度の違いは見られなかった。
配信された広告の内容を分析すると、約57%が小売業やIT関連のサービスに集中していた。例えば「タイ料理の作り方」といった質問にはフードデリバリーの広告が出るなど、質問の文脈に合わせたターゲティングが行われていた。
その一方で、医療、メンタルヘルス、政治といったデリケートな話題に対しては、開発元の米OpenAIが事前に定めたルールの通り、広告はほぼ表示されなかった。
Source and Image Credits: Lurie, Emma, et al. “The Beginning of ChatGPT Ads.” arXiv preprint arXiv:2608.05008 (2026).
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2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説している。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。
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2014年から幅広い分野の研究論文をピックアップして解説しているメディア「Seamless」(シームレス)を主宰している。
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