[ITmedia News] Mistral、1兆パラメータの「Mistral Large 4」(通称「Le Chonk」)発表 10月末にオープンウェイトで公開へ
仏Mistral AIは10月6日(現地時間)、同社最大のAIモデル「Mistral Large 4」のパブリックプレビュー版を公開した。APIは開発者向けプラットフォーム「Mistral Studio」で同日から利用できる。モデルの重みは10月末にオープンウェイトとして公開する予定だ。
同社はこのモデルを非公式には「ML4」、あるいは「Le Chonk」と呼んでいる。「chonk」は英語圏のネットスラングで、ぽっちゃりした動物、特に猫を指して使われる言葉だ。発表ページやドキュメントにも、でぶねこのアイコンやアニメーションがあしらわれている。
Mistral Large 4は総パラメータ数1兆500億、推論時に使うアクティブパラメータ数490億のMoE(Mixture-of-Experts)モデル。画像を最初から扱えるネイティブマルチモーダル設計で、16億パラメータのビジョンエンコーダを搭載する。指示応答と推論を1つのモデルで切り替えられるハイブリッド型で、コンテキスト長は100万トークン。学習データの多くは多言語で、EUの全公用語を含む160以上の言語に対応する。API料金は100万トークン当たり入力1.36ドル、出力4.18ドル。
Mistralによると、Mistral Large 4は総合的なベンチマークで、米国と欧州で開発されたオープンウェイトモデルの中で最も高い性能を示したという。コーディング分野のスコアは、DeepSWE v1.1が61.7%、SWE-Atlas-QnAが59.4%、Terminal-Bench 4が28.3%。これらをまとめたCoding Agent Indexでは49.8%となり、中国の「DeepSeek V4 Pro 0813」や「Qwen3.8 Max」を上回ったという。
コーディングベンチマーク「DeepSWE 1.1」(画像:Mistral AI)
同社が特に強調するのはサイバーセキュリティ分野だ。米Artificial Analysisの「Cyber Index」では世界の上位5モデルに入り、中国以外で開発されたオープンウェイトモデルの中では大差で首位という。実在するオープンウェイトソフトウェアの脆弱性を再現してからパッチを当てるテストでは、全モデル中最高の82%を記録した。Mistralは、同じテストで「Claude Opus 5.5」やGPT-6 Astraなどのクローズドモデルは、タスクを拒否するためスコアがほぼゼロになると説明している。その上で、防御側には脆弱性が実在することを確かめる作業が必要であり、自社のポリシーの下でモデルを運用できるオープンウェイトの利点を訴えている。
Artificial Analysis Cyber Index。「Mistral Large 4」プレビュー版は「GLM-5.3-Flash」と同じスコアだった(画像:Mistral AI)
一方、安全性の評価では、JailbreakBenchなどに含まれる悪意あるサイバー関連の依頼を拒否する率が、他のどのオープンウェイトモデルよりも高かったとしている。重みの公開までの間は、サイバーセキュリティ企業や審査済みのパートナー、国家当局と協力し、実環境でレッドチーミングを実施する。これらの組織には、モデレーションを緩め、サイバー関連の能力を拡張した版を提供するという。
学習には、欧州にある同社のデータセンターで、米NVIDIA製「Grace Blackwell GPU」3800基を使った。プレビュー版も同じ基盤で提供している。
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