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Thursday, October 8, 2026

〈過当競争に突入〉「SaaS業界再編」は今後3~5年で本格化する…ラクス中村社長が明かす"時間を買う出資戦略"の中身 | ビジネス | 東洋経済オンライン

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経費精算システム「楽楽精算」、帳票発行システム「楽楽明細」などのクラウドサービスを提供するラクス。2000年11月に設立され、クラウドビジネスでは老舗の同社は、国内SaaS業界の再編を見据えて積極的な出資戦略を進めている。「SaaSの死」が叫ばれる中で、日本のSaaS業界はどこに向かうのか。中村崇則社長に聞いた。

SaaS銘柄の株価下落でM&Aを加速

――今年7〜8月、立て続けにSaaS企業への出資を行っています。この背景には、何があるのでしょうか?

国内のSaaS市場は成熟・飽和が進み、あらゆる領域で競合が乱立して新規獲得難易度やCAC(顧客獲得コスト)が上昇している。自社でゼロからスクラッチ開発を行ってサービスを立ち上げ、収支を合わせるには多大な時間とリスクを要するため、すでに特定領域で高い実績と製品力を持つ企業に出資して時間を買うほうが、圧倒的に効率的で合理的だ。

追加出資したプラスアルファ・コンサルティング(PAC)とは、すでに同社が持つ「タレントパレット」などの製品と、ラクスの中堅・中小企業における顧客基盤や営業網を掛け合わせ、2026年4月より新サービス「楽楽人事労務」を提供している。

主要株主である投資ファンドのオアシス社からまとまった株式を固定価格で一括取得できる機会があったので、8月21日に議決権比率を22.21%まで引き上げて持ち分法適用会社化した。同時にPACとは資本業務提携を結んでおり、ラクスの自社プロダクトとして欠けていたタレントマネジメントなどのHRテック領域を埋める狙いがある。

8月28日に約3%の出資をしたROBOT PAYMENTとは、同社の「請求管理ロボ」から機能のOEM供給を受け、自社の「楽楽明細」などの顧客に向けて新「楽楽債権管理」として展開していく。決済・入金消込・債権管理といったお金を動かす領域は、金融機関との関係性やセキュリティ、法対応などの面で極めて参入障壁が高い。専門性の高い開発を出資先に委ねることで、ラクスの社内開発リソースをAIネイティブプロダクトなど最重点の成長領域へ最適配分し、グループ全体の生産性と収益性を高められる。

これらの出資のタイミングが重なったのは、26年初に起きた株式市場におけるSaaS銘柄の株価調整が大きい。SaaS企業の本質的価値に対して、リーズナブルに株を取得できる環境が整った。今第1四半期(26年4〜6月)に当社はIT人材事業譲渡に伴う特別利益を約167億円計上しており、29年3月期までの中計3カ年で900億円超の資本活用枠がある。この機を逃さず、成長投資へ配分する絶好のタイミングだった。

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にかいどう りょうまRyoma Nikaido

2008年東洋経済新報社入社。産業担当や週刊東洋経済編集部の大型特集を歴任。20〜21年に会社を休職して、アメリカに留学(フルブライト奨学生)。帰国後は再び週刊東洋経済編集部に所属した後、解説部でアメリカの政治経済やテック情勢を担当。24年7月から3度目の週刊東洋経済編集部所属。直近では「上場企業クライシス」「半導体 異変」「進撃のアクセンチュア」などを取りまとめた。

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