Claude Codeがユーザーのメールアドレスを外部サイトに勝手に送信する問題が発覚、約4カ月前から報告されていたことも判明

AnthropicのAIコーディングツール「Claude Code」が、ユーザーのメールアドレスを許可なく外部のウェブサイトに送信していたという問題が報告されました。2026年11月5日にGitHubで新たな問題報告が投稿されましたが、同様の問題は7月にも報告されており、Anthropicの対応が注目されています。
Bug Report: Privacy violation in User-Agent header · Issue #107757 · anthropics/claude-code
https://github.com/anthropics/claude-code/issues/107757
今回、Claude Codeが外部サイトにアクセスする際、HTTPリクエストの「User-Agent」という情報にユーザーのメールアドレスを含めていたことがわかりました。User-Agentは、ウェブサイトにアクセスするソフトウェアの名前やバージョンなどを相手のサーバーに伝えるための情報で、通常はブラウザやツールを識別するために使われますが、Claude Codeが実行した一部の通信ではユーザーの個人情報が含まれていたとのこと。
問題自体は2026年7月17日にGitHubで報告されていました。ユーザーのlgualtieri75氏は「AIエージェントが何の確認もなく、実際のメールアドレスをUser-Agentに使った」と訴え、明示的な許可を求めるべきだと指摘しました。
[BUG] you stupid agent used my real email as user agent string without asking anything · Issue #78431 · anthropics/claude-code
https://github.com/anthropics/claude-code/issues/78431
さらに8月11日には別のユーザーが同様の問題を報告し、実際の実行ログを公開しました。ログには、Claude Codeが`curl`コマンドで外部サイトのAPIにアクセスする際、User-Agentにメールアドレスを組み込んでいた様子が記録されています。投稿者によると、1時間のセッション中に同様の操作が5回確認されたとのことです。
この問題は8月にもHacker Newsで話題となり、開発者のサイモン・ウィリソン氏は問題報告に再現手順などの情報が不足していると指摘しました。その上で、ユーザーの明示的な確認なしにメールアドレスを外部に送ることは容認できないと述べています。
エンジニアのクリス・レイキン氏がClaude Codeに確認したところ、1カ月で10回以上メールアドレスを外部に送信しており、送信先には米証券取引委員会(SEC)も含まれていたことがわかりました。
I asked my claude about this and it said it had shared my email 10+ times this month… including to the SEC
— Chris Lakin (@chrislakin) October 22, 2026
そして10月30日ごろには「Claude CodeがメールアドレスをAIへの指示に含め、それが外部サイトに送信される」という問題が再びHacker Newsに投稿されました。投稿では、AIに渡される情報にメールアドレスが含まれている問題と、AIがその情報を外部に送信する問題の両方が指摘されています。
11月5日には、GitHubユーザーのtaylor-edwards氏が「User-Agentヘッダーにおけるプライバシー侵害」という新たな問題を報告しました。同氏はClaude Codeがウェブ検索中にメールアドレスを許可なく第三者へ送信したと主張し、毎日数十通の詐欺メールを受信していると訴えています。ただし、詐欺メールの増加がClaude Codeによる情報送信に直接起因するかどうかは確認されていません。
taylor-edwards氏は、メールアドレスの送信を設定で有効・無効にできるようにするだけでは不十分であり、Claude Codeから情報を送信する仕組みそのものを削除するべきだと主張しています。

Hacker Newsでは、Claude Codeがメールアドレス以外の情報も送信していたという報告が寄せられました。あるユーザーは、自社のウェブサーバーへのアクセス記録を調べたところ、AIエージェントが作成したUser-Agentに自分の名前、所属企業、チーム名、作業中のプロジェクトのGitHubリポジトリなどが含まれていたと説明しています。
こうした情報が外部サイトに送信されると、アクセス先の運営者にユーザーの身元や所属組織、開発中のプロジェクトなどを知られる可能性があります。User-Agentは通信先のサーバーで記録できるため、AIエージェントがアクセスするサイトによっては情報が意図せず保存されることになります。
今回の問題については、AIがなぜ個人情報を送信したのかという点も議論されています。Hacker Newsでは、一部のウェブサイトが自動アクセスを行うプログラムに連絡先の記載を求めていることから、Claude Codeがサイトのルールに従おうとしてメールアドレスをUser-Agentに含めた可能性が指摘されています。
実際に、Rustのパッケージ公開サイト「crates.io」では、自動アクセスするプログラムのUser-Agentに連絡先を記載することが推奨されています。8月の問題報告でも、Claude Codeがこの方針に従い、Gitの設定から取得したメールアドレスを使用した可能性が指摘されていました。
また、7月25日には別のユーザーが、Claude CodeがアカウントのメールアドレスをAIモデルへのシステムプロンプトに自動的に組み込んでいて、ユーザーがAIにメールアドレスを伝えなくてもAI自身がその情報を利用できる状態になっていたと報告しています。
[BUG] Account email (PII) is injected into the model's system prompt without consent, disclosure, · Issue #81138 · anthropics/claude-code
https://github.com/anthropics/claude-code/issues/81138
こうした指摘を受け、Claude Codeの開発メンバーが11月5日にHacker News上で問題への対応状況を説明しました。同氏によると、数日前にRedditで問題が話題になったことを受け、Claude Codeのバージョン2.1.317以降には、個人情報の不適切な送信をプログラム側で防ぐ「cc-plugin-privacy」という仕組みが導入されたとのこと。この機能は初期状態で有効になっており、`/plugins`から無効化することもできます。
GitHubでもClaude Codeのコントリビューターが同様の説明を行い、新たに導入した保護機能で防げないケースがあれば、速やかに報告するよう呼びかけています。
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