製紙業界トップ・王子のCFO「再編にシナジー見えづらい」…国内再編よりも成長と撤退を冷徹に見極める戦略の実態 | ビジネス | 東洋経済オンライン

INDEX
海外戦略で同業他社に先行してきた国内製紙最大手の王子ホールディングス。国内の業界再編を主導してきた立場でもある。国内の市場急縮小、中国勢の輸出攻勢に伴う海外市況の変調にどう向き合うか。大島忠司取締役専務執行役員CFO(最高財務責任者)に直撃した。
製紙の枠を超えた事業へ転換
――海外の板紙やパルプへの積極投資で成長を続けてきましたが、近年は非製紙領域への投資が増えています。
事業環境が変化する中で投資戦略も変わっている。リーマンショックの前まで増加基調にあった国内紙需要が一転して急縮小し始めた2010年ごろから、海外のパルプ事業やパッケージング向け板紙事業を拡大し、ビジネスの領域を日本から海外に求めていった。とはいえ、この過程ではまだ紙・パルプ領域での投資が中心だった。近年は製紙の枠を超えた事業ポートフォリオの転換に注力している。
世界的な脱プラスチックの潮流、環境意識の高まりを受けて、紙やバイオマス原料を使った包装資材であるサステナブルパッケージを戦略的な成長領域として位置づけている。大きな投資としてはヨーロッパで、液体紙容器の加工や充填機械を手がける会社、包装資材の加工会社をグループ化した。王子グループで製造する板紙と合わせて、パッケージの製品ラインナップ拡充と供給網強化を進めているところだ。
ほかにも26年にはヨーロッパのバイオリファイナリー(森林資源などバイオマスを原料にバイオ燃料やその他の化学物質を精製する技術)企業を買収した。当社では製紙の事業基盤である森林資源の価値を深掘りして事業化へ結び付けていくために、木質バイオマスビジネス事業を新たな事業柱として育成している。買収企業は理想的なビジネスモデルになると判断した。
投資戦略は変化している一方、森林資源を生かした製品を社会に届けるという原点は変わっていない。
需要急縮小で再編に取り組んでも…
――過去には、中越パルプ工業と三菱製紙を持ち分法適用会社化するなど、需要が縮小する国内での業界再編も主導してきました。国内の業界構造をどう見通しますか。
一般論として、プレーヤーがまだ多いことは否定できない。
この記事は有料会員限定です
残り 2094文字
各タグのフォローボタンをクリックしフォローすると、関連する新着記事をメールで受け取ることができます
5 記事
関連記事
本文の内容に基づいた記事をピックアップしています
フォローすると、最新記事をメールでお知らせします。
よしの・つきかTsukika Yoshino
鉄鋼業界を担当。大学では地理学を専攻し、微地形について研究。大学院ではミャンマーに留学し、土地収用について研究。広島出身のさそり座。夕陽と星空が好き。
KioskNews shows a cleaned-up reading view extracted from the publisher’s page — the original always lives on their site, not ours.