銀行系企業がAIの利用コストを約10分の1に削減した事例を公開、商用AIから自社運用モデルへの切り替えで

Revolutは2025年初頭からGoogleの「Gemini」を導入し、2026年初頭にはAnthropicのAIコーディングツール「Claude Code」も導入しました。しかし、AIの利用が広がるにつれて費用が問題になり、エンジニア1人で月額1000ドル(約15万円)や1万ドル(約150万円)相当のAIを利用するケースもあったとのこと。Revolutは予算の上限を設けましたが、エンジニアが利用枠を節約するために難しい作業だけにAIを使うようになり、AIの活用機会まで減ってしまいました。
そこでRevolutは、外部のAIサービスから自社のコンピューターでAIを動かすセルフホスティングへの移行を進めました。採用したのは中国のAI企業Z.aiが開発したオープンウェイトモデルの「GLM」シリーズです。
Revolutは当初「GLM-5.1」を導入し、その後「GLM-5.3」に移行しました。アビトボル氏によると、GLM-5.1を自社運用した場合の処理コストは入力と出力を合わせて100万トークン当たり約0.30ドル(約45円)で、OpenAIの「Codex」やClaude Codeなどを利用する場合の約10分の1に抑えられたとのこと。
自社運用には大量の計算を処理できる設備が必要で、RevolutはNVIDIAの高性能GPU「B200」を56基使用しています。ただし、GPUを増やすだけでなくAIが一度に参照する情報量の調整や、計算に使うデータの精度を下げてメモリ使用量を減らす「量子化」などの調整が重要とのことで、性能改善の約80%はAIの動作設定の調整によるものだったそうです。
AIの利用コストが下がったことで、エンジニアはプログラムの作成だけでなく、不具合の調査やプロジェクト管理ツール「Jira」の課題処理など、日常的な業務にもAIを活用するようになりました。
Revolutによると、AI導入の取り組みを通じてコーディングにかかる時間が約60%改善し、作業の開始からプログラムの変更内容を統合して公開準備を整えるまでの時間も約70%改善したとのこと。
なお、Revolutは商用AIサービスを完全に廃止したわけではなく、画像の理解が必要な作業などでは引き続きGeminiを利用し、用途に応じてAIを使い分けているそうです。
アビトボル氏は自社運用のAIを優先することで運用費用を予測しやすくなり、月末に予想外の高額請求が発生する心配も減ったと説明。今後も自社運用のAIを標準とし、高性能な商用AIサービスは必要な場面に限って利用していく方針だと述べています。
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