「基地」か「経済」かの二者択一を超えて、沖縄県知事選が問いかける「国境を支える経済」の重要性 | 政治・経済・投資 | 東洋経済オンライン

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2026年9月13日の沖縄県知事選で、古謝玄太氏が現職の玉城デニー氏に約14万7000票差をつけて初当選した。注目したいのは勝敗だけではない。有権者が何を重視して投票したのかである。
共同通信社の出口調査(回答2909人)で、投票先を選ぶ際に何を最も重視したかを尋ねたところ、「経済の活性化」が49.5%、「基地問題」が20.9%だった。経済を最も重視した人の78.7%が古謝氏を、基地問題を最も重視した人の72.9%が玉城氏を選んだ。
沖縄政治は長く「基地か経済か」という対立軸で語られてきた。今回も争点の優先順位によって投票先は分かれたが、両候補が経済振興を掲げるなか、より多くの有権者が経済を選択の中心に据えた。
これは安全保障への関心が低下したことを意味するのか。先島諸島(沖縄県西南部の宮古諸島と八重山諸島)の生活実態に目を向けると、経済と安全保障を切り離して考えることの限界が見えてくる。
基地問題は消えたのか
駐留米軍・普天間基地の辺野古への移設について、賛否は今も割れている。選挙前に、琉球朝日放送、沖縄タイムス、朝日新聞社が合同で実施した電話世論調査(回答900人)では、賛成35%、反対37%、先述の出口調査でも賛成50.2%、反対43.8%だった。調査方法や対象の違いから単純な増減比較はできないが、基地問題が争点でなくなったわけではない。
重要なのは、政策への賛否と投票時の優先順位は異なるという点である。辺野古移設に反対しながら、所得や雇用を優先して別の候補者を選ぶこともありうる。古謝氏は10~30代の7割超から支持され、前回、玉城氏に投票した回答者の約3割も取り込んだ。
他方、無党派層では玉城氏が上回った。選挙結果を保守化や世代交代だけで説明することは難しい。候補者の経済政策への期待、現職県政への評価、政党支持も関係したと考えられる。
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かごたに こうじKoji Kagotani
1975年生まれ。関西学院大学法学部卒、同大学院総合政策研究科博士後期課程満期退学。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校で政治学博士(Ph.D.)を取得。2024年から現職。国際関係論、数理政治学、計量政治学が専門。
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