政府、漫画・アニメを外交活用 「日本ファン」新興国で拡大狙う
政府は、日本の漫画やアニメなど文化的な魅力を活用した「ソフトパワー外交」を強化する。人気コンテンツを積極活用し、「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国などで日本ファンを増やす。国際社会での日本の存在感を高める狙いだ。
外務省は2027年度予算概算要求に18億3000万円の関連経費を計上。漫画、アニメ、音楽、映画などのプロモーション事業を展開する。日本語人材の育成も図りたい考え。
これに先立ち始めたのがコンサートによる文化交流事業だ。国際交流基金は今年1月、西アフリカのコートジボワールでアニメソングのコンサートを開催。ロックバンド「FLOW」が人気アニメ「NARUTO」のオープニングテーマ曲を演奏し、約600人の観客を沸かせた。
近年、西アフリカでは日本のアニメなどへの関心が高まっており、会場外にも2000人が集まる盛況となった。27年度も南米などで開催を検討。欧州やアジアと比べて浸透が遅れる地域でのコンサートを通じ、日本への関心の裾野を広げたい考えだ。
日本の文化的な背景を正しく理解してもらうため、海外での日本語翻訳者の育成も本格的に始める。日本の出版関係者らとの面会や、漫画のキャラクターを使った日本語会話アプリの制作を予定する。
政府が注力する背景には、中国がグローバルサウス諸国で影響力を強めていることがある。「ONE PIECE(ワンピース)」や「呪術廻戦」といった世界的な人気を誇る作品を前面に打ち出し、新興国の人々を引き付けることを目指す。
コンテンツは、政府が成長戦略で投資先として位置付ける17分野の一つ。外務省幹部は「戦略分野に指定されたことで、より大規模にコンテンツを軸とした外交を展開できるようになった。作品をより多くの人に知ってもらい、日本の発信を好意的に受け止めてもらえる人を増やしていきたい」と話している。
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