[ITmedia PC USER] マザーボードから総合AI企業へ──ASUS ジョニー・シー会長が語る35年の軌跡、「All in on AI」のビジョンと日本市場での勝算
「ASUSにとって、日本の市場は、最も重要な戦略市場であるとともに、35年以上にわたり、ASUSの成長を支え、多くの学びと挑戦を与えてくれた特別な市場である」
ASUSTeK Computerのジョニー・シー会長は、こう切り出した。
同社は長年にわたり、日本市場でPC事業を展開し、特に近年は個人向けPC市場や教育市場でシェアを拡大し、存在感を高めている。そして、日本市場に向けて新たな法人向けノートPCを投入した。
シー会長は、「日本の法人向けPC市場は、ASUSにとって世界有数の市場へと成長する可能性があると確信している」と語る。インタビュー前編では、ASUSの現在地と日本市場における事業戦略について聞いた。
なお、インタビューには、ASUS JAPAN(日本法人)のアルビン・チェン社長も同席した。
「All in on AI」を掲げ、総合的なAI企業へ
―― ASUSの35年以上の歴史において、今はどんなフェーズに入ってきたといえますか。
シー ASUSは1989年にマザーボードメーカーとして創業して以来、数々の革新的な製品を世の中に送り出してきました。1997年には、当社初となるノートPC「P6300」を発売しました。
このノートPCは、ミール宇宙ステーションで使用され、宇宙という過酷な環境下において他社製ノートPCがオーバーヒートなどによって故障する中で600日間にわたり、一切故障することなく宇宙でのミッションを完遂しました。当時から高い基準を設けて、製品開発に取り組んでいたことを証明する出来事だといえます。
現在、当社は業界でも有数の包括的なエコシステムを有するテクノロジーブランドへと成長しました。マザーボードの会社からスタートした当社は、世界第2位のノートPCブランドへと成長することができました。
チェン この間、当社は常にイノベーションの限界に挑戦し続けています。世界初のNetbookである「Eee PC」や、Ultrabookの「Zenbook」、世界初のデュアルスクリーンノートPCや折りたたみ式ノートPCは、いずれも当社によって市場投入されました。
また、世界初の竹素材を採用したノートPCや世界初の革張りノートPC、世界初のランボルギーニとのコラボレーションノートPCも当社から登場しています。このような数々の革新を積み重ねながら、世界を代表するブランドへと成長してきました。
シー そして当社は、PCメーカーから総合的なAI企業へと進化を始めています。当社では「All in on AI」のビジョンの下、AIへの取り組みを加速しています。
これは、当社が大きな変革の最前線に立っていることを意味します。AIは、私たちの働き方や創造の仕方、そして意思決定の方法を大きく変えており、AIが生産性向上、イノベーション創出、将来のビジネス成長を支える重要な原動力になると確信しています。
当社はPCやサーバ、IoTに至るまで、幅広い領域において先進的なAI技術をサポートし、よりスマートに、より迅速に、より効率的に働ける環境を実現していきます。
―― ちなみに、シー会長が意識している企業はありますか。
シー 私は個人的には、Appleをとても尊敬しています。究極のモノ作りを追求している企業であり、フラッグシップの製品だけでなく、エントリーモデルにおいても、ユーザーから求められる品質を維持したモノ作りをしている点を評価しています。
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