通販大手アスクル、40代の成松新社長が説く、ランサムウェア被害を克服した後の「小売業を超えた存在」 | ビジネス | 東洋経済オンライン

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2025年10月にアスクルを襲ったランサムウエア(身代金要求型ウイルス)による攻撃。主力の法人向けEC(ネット通販)「ASKUL(アスクル)」や個人向けEC「LOHACO(ロハコ)」などが受発注停止などの被害を受けた。今年2月には当日配送まで再開したが、前26年5月期は174億円の営業赤字に転落している。そうした中、前任の吉岡晃氏から社長の座を8月に継いだのが、成松岳志氏だ。47歳の成松新社長にアスクルの現在地と今後の再成長シナリオを聞いた。
――社長就任は8月ですが、就任発表は6月でした。吉岡前社長からは7年ぶりの交代になります。指名・報酬委員会での議論を経て株主総会や取締役会で決定されましたが、実質的には、いつ誰から打診されたのですか。
発表があったのは6月で、社内的に私が打診されたのは今年4月。吉岡前社長から直接話があった。当時はランサムウェア被害から立ち直り、サービスレベルでは2月にはBtoBもBtoCも復旧していた。一方で、事業を元のように回復させるため、壮大な(価格攻勢の)キャンペーンをやっている真っ最中だった。
そんなさなかのある朝、吉岡前社長に「ちょっと1時間くらい」と社長室に呼ばれると、「8月に次のバトンを受け取ってほしい」というようなことを言われた。事業回復の佳境でもあり、私自身はまったく想定していなかったので、正直驚いた。指名・報酬委員会などで、サクセッションプラン(後継者育成計画)のプロセスが進んでいることは理解していたが、基本的に候補者本人が知ることはない。

成松岳志(なりまつ・たけし)/アスクル社長兼CEO。1979年東京都生まれ。2001年慶応義塾大学法学部法律学科卒業。同年東海銀行(現三菱UFJ銀行)入行。07年アスクル入社。22年執行役員LOHACO事業本部長、23年執行役員ロジスティクス本部長、25年執行役員事業戦略本部長を経て、26年8月から現職(撮影:尾形文繁)
25年7月に3カ年(26年5月期~29年5月期)の中期経営計画を発表した後のタイミングだったし、私自身が事業戦略本部を担当していたので、吉岡前社長ともひざ詰めでコアな部分を話し合いながらつくってきた。その意味でビジネスプランを継承するという観点からは納得性があったと思う。
同時に、その後10月に起こったランサムウェア被害からの復旧過程で、お客様に大変なご迷惑をかけ、事業的な(マイナスの)インパクトも大きかったので、われわれも必死になって順次取り戻していこうとしていた。お客様のアスクル再開への大きな期待に対して、(社長交代は)それをわかりやすく理解していただく機会でもあった。
「絶対に明日来る」というコミットメントが大事
――9月の決算説明会では、ランサムウェア被害で離れた顧客のうち、アスクルに戻った客と戻ってこなかった客がわかった、と説明していました。両者はどこに差がありましたか。
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おおの かずゆきKazuyuki Ohno
ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。資産運用や相続、年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手がける。Xは大野和幸。
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