トランプ氏に「心酔」する忠臣、ナタリー・ハープ氏に脚光「大切なのはあなただけ」
【ワシントンAFP=時事】ドナルド・トランプ米大統領(80)に「心酔」する忠臣ナタリー・ハープ大統領特別補佐官(35)は常にトランプ氏の傍らに控えているが、最近まで脚光を浴びることはなかった。(写真はナタリー・ハープ米大統領特別補佐官。ホワイトハウスの大統領執務室で)
だが、7月上旬にイランが暗殺を企てているとの情報を受け、トランプ氏がトルコで極秘裏に旧型の大統領専用機から別の軍用機に乗り換えた際、同行した数少ない側近の一人であることが判明したことで状況が一変した。
ハープ氏の名前は、2028年大統領選の民主党候補となる可能性を取り沙汰されているジョン・オソフ上院議員が先週末の演説で言及したことで一躍注目を集めた。
オソフ氏は演説で、「彼(トランプ氏)はボールルーム(宴会場)を建設し、カタール首長から贈られた空飛ぶ宮殿(大統領専用機)でナタリーと一緒に旅をしたがっている」と述べ、ネットを大炎上させるとともにホワイトハウスを激怒させた。
昨年大統領に復帰して以来、1日も休みを取っていないとされるトランプ氏を支えるハープ氏とは一体何者なのか。
■「彼女だけは私から離れない」
トランプ氏が求めた資料をその場で印刷できるようポータブルプリンターを持ち歩く役割から、ハープ氏は「人間プリンター」の異名をとる。
だが、その呼び名はハープ氏の真の役割を著しく過小評価している。
ハープ氏はトランプ氏に届く情報を管理し、実質的にトランプ氏への「ゲートキーパー(門番)」として機能している。ハープ氏はしばしばトランプ氏をSNSの右派系コンテンツへ導いているとされる。
ハープ氏はさらに、トランプ氏のSNS「トゥルース・ソーシャル」アカウントに直接アクセスできる数少ない高官の一人でもある。
2024年大統領選を追ったドキュメンタリー番組「Art of the Surge」の映像によると、ハープ氏はトランプ氏が口述する通りに投稿を入力し、同氏特有の大文字での強調も交えている。
トランプ氏はハープ氏を非常に貴重な存在とみなしているようで、大統領執務室から大統領専用ヘリコプター「マリーンワン」、大統領専用機「エアフォースワン」に至るまで常に同行させている。
米紙ニューヨーク・タイムズのジャーナリスト、マギー・ハーバーマン氏とジョナサン・スワン氏の著書「Regime Change」によると、トランプ氏はハープ氏について、「お前たちはみな私のもとを去って金もうけに走るだろうが、彼女だけは私から離れない」と語り、妻や子どもたちと同じくらい自分を愛してくれる唯一の人物だと評したという。
■「心酔」
ハープ氏のトランプ氏に対する並々ならぬ忠誠心は、一部の人々を驚かせている。
「Regime Change」によれば、ハープ氏はトランプ氏に「私にとって大切なのはあなただけです」と記したメモを渡したこともある。
また、ニューヨーク・タイムズによると、ハープ氏は英スコットランドのゴルフ場でトランプ氏のゴルフカートを走って追い掛ける動画が公開された後、「足手まとい」になってしまって申し訳ないと謝罪し、「心を込めて、ナタリーより」と署名したメモをトランプ氏に渡した。
CNNによると、2023年にトランプ氏がニューヨークの裁判所へ向かう際、車列にハープ氏の席がないとスタッフから告げられると、トランクでも構わないのでトランプ氏に同行すると主張したこともあったという。
ホワイトハウスはハープ氏の役割を強く擁護している。
ホワイトハウスのデイビス・イングル報道官はAFPへの声明で、「ナタリー・ハープはトランプ大統領のチームの中で最も忠実・勤勉な側近の一人だ」「メディアは本物のニュースの報道に戻り、トランプ嫌悪で判断力を失ったリベラルな主張を垂れ流すのをやめるべきだ」と述べた。
トランプ氏の「米国を再び偉大に(MAGA)」派も結束してオソフ氏とメディアを攻撃している。
トランプ氏は今週、ハープ氏に関する質問を巧みにかわしたが、オソフ氏を「ピーウィー・ハーマン」のキャラクターで知られるコメディアンの故ポール・ルーベンス氏になぞらえてけん制。ホワイトハウスもこの質問をしたCNNの女性記者を攻撃し、同記者の子どもたちですら母の振る舞いを恥ずかしく思うだろうと述べた。
■悪性骨腫瘍との闘病
ハープ氏の疎遠になっている兄プレストン氏はCNNに対し、ハープ氏はトランプ氏に「心酔」しているが、それは異性として魅力的だからではなく、命を救ってくれた恩人だと信じているからだと語った。
ハープ氏は過去に末期の悪性骨腫瘍を患っていたが、トランプ氏が第1次政権中に導入したプログラムのおかげで実験薬を使うことができ、寛解したと述べている。
現在は公の場で発言することはほとんどないが、かつては共和党系の集会に常連として登壇して体験談を語り、右派系ニュース番組にも出演していた。
ハープ氏は2018年に開催された集会、共に登壇したトランプ氏を「私の善きサマリア人(恩人)」と呼んだ。
2020年の共和党全国大会では、「あなたがいなかったら、私はきょう生きていませんでした」と感謝を伝えた。【翻訳編集AFPBBNews】
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