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Friday, October 23, 2026

[ITmedia エグゼクティブ] 自転車ヘルメットを「カッコ良く」 学生が警視庁、良品計画とコラボ 広がる着用の輪

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産経新聞

「かぶりたくなる」デザインのヘルメットを開発した青山学院大の学生ら=16日、東京都渋谷区(橋本愛撮影)

 自転車乗車時のヘルメット着用率が伸び悩む中、かぶりたくなるデザインを目指し学生や警視庁がコラボして開発したヘルメットが、今夏から無印良品で販売されている。自転車に乗る機会が減っていた記者も、これを機に家族や周りの人に勧めてみようと購入。シンプルなデザインの中には、「自分が使うなら?」という学生目線のこだわりが詰まっていた。

"ダサい"変えたい

 「完成したときには愛着が湧きました」

 考案と開発を進めた「みんなのヘルメットプロジェクト」に携わった青山学院大3年の長野莉子さん(21)は笑顔で語る。

 プロジェクトは令和5年に自転車乗車時のヘルメット着用が努力義務となったことを受け翌6年に発足。警視庁と良品計画、青山学院大と山野美容専門学校の学生が参加した。

 当事者目線で使いやすいヘルメットをテーマに「かぶらない理由」を学生らがひもとき、日常で使いやすいデザインを検討。完成した「風が抜ける自転車ヘルメット」は、8月から無印良品の一部店舗とネットストアで販売が始まった。

 新商品には、さまざまなアイデアが反映された。

 プロジェクトで意見にあがった「蒸れる」「髪形が崩れる」などの課題を解消するため、前部に段差を設け、通気性が良く、前髪が崩れにくいデザインにした。後頭部は結んだ後ろ髪を通しやすい構造だ。

開発したヘルメットはすっきりしたデザインで男女問わず日常使いしやすい‖東京都渋谷区(橋本愛撮影)

 落ち着いた色味とすっきりとしたデザインで〝かぶられている感〟がないのも特徴だ。着脱式のバイザーで日よけができ、反射材を使用したループはバッグなどにもひっかけられる。製品安全協会が定める「SG基準認証」も取得済みだ。

 中学校時代、自転車通学中に転倒した友人が「ヘルメットがあって助かった」と話していたという長野さんは、「『ヘルメットってダサいよね』という意識が変わればうれしい」と力を込める。

大切な人にプレゼント

 同じくプロジェクトに参加した青山学院大2年の佐藤楓さん(20)は、完成したヘルメットを自転車に乗る高齢の祖母にプレゼントした。

 ヘルメットをかぶっていなかった祖母に「私も携わったものだよ」と勧めると使ってくれるようになり、街中で着用している人を見かけると感慨深い気持ちになったという。佐藤さんは「社会全体で見れば小さな出来事だけど、自分で輪を広められたことがうれしい」と振り返る。

 同じく2年の渡壁すみれさん(19)も、発売後に店舗で購入。「自分の未来や大切な人を守ることにつながり、プレゼントにもいい。ヘルメットをかぶることが当たり前でかっこいいという意識を広めたい」と思いを語る。

着用考えるきっかけに

 警察庁の今年6月の調査によると、全国のヘルメット着用率は24.4%。令和5年調査の13.5%から1年ごとに約3~4%ずつ増えているが、十分な普及には至っていない。東京都の着用率は15.5%と全国平均を下回っている。

 警視庁は6年、自転車乗車中に事故にあった女性の経験談を紹介し、ヘルメット着用を呼びかける啓発動画を公式ユーチューブで公開した。

 現場に駆けつけた警察官が「命がなくなってしまうような事故だった」と振り返るほどの状況だったが、母親に繰り返し促されてかぶっていたヘルメットに命を救われたという女性の経験を聞き、視聴した記者も「大切な人を守る」ことの意味を痛感した。

 購入した「風が抜ける自転車ヘルメット」をかぶってみた。あごひもを留めるバックルはマグネット式で、鏡を見なくても片手で着脱できる快適さに感心した。学生たちも特に工夫したポイントだという。

 過去5年の都内の自転車事故では、ヘルメット非着用時の致死率が着用時に比べて約2.3倍高い。着用の輪を広げている学生たちのアイデアが詰まったヘルメット。改めて、命を守ることについて考えるきっかけをくれそうだ。

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