[ITmedia News] Adobeそっくり「ArtCraft」の動画編集ツールを試す AIで挙動を再現した“クローンソフト”はアリなのか
著者
小寺信良
[ITmedia]
クリエイティブツールは多機能であるが故に、1つにまとめた総合ツールとはなりにくい。よってそうしたツールを開発するソフトハウスは、複数のツールを組み合わせたサブスクで販売するという形態をとっており、単体での商品販売や買い切りには消極的だ。
その代表的な例は、米Adobeであろう。クリエイティブワークを仕事にしている人はどのみち複数のツールを長時間使うのでサブスクは値頃感があるが、特定の機能だけをちょこっとだけ使いたいみたいな人にとっては割高になる。現在はアマチュアクリエイターも増加しており、こうしたちょこっと需要は増加傾向にある。
米ArtCraftは、画像・動画の生成を画面上で細かく制御するプラットフォーム、「ArtCraft」を2025年にリリースした企業だが、2026年後半から、Adobeのクリエイティブツールを模したソフトウェアを次々と発表・公開した。以下に一覧でまとめておく。
| ArtCraft | 相当するAdobe製品 |
|---|---|
| PhotoCraft | Photoshop |
| VectorCraft | Illustrator |
| FilmCraft | Premiere |
| LightCraft | Lightroom |
| PdfCraft | Acrobat |
| EffectCraft | After Effects |
| DesignCraft | InDesign |
Adobe以外のソフトウェアもリリースしている。
| ArtCraft | 対象にしている製品 |
|---|---|
| WordCraft | Microsoft Word |
| DeckCraft | Microsoft PowerPoint |
| GridCraft | Microsoft Excel |
| SoundCraft | Avid Pro Tools |
| CADCraft | Autodesk AutoCAD |
ソフトウェアは全て、「GitHub」でオープンソースとして公開されている。開発には米Anthropicの「Claude Opus 5.5」を使用し、アプリの仕様と実際の挙動を解析することで、ソースを一から書き直している。つまりソースコードの流用や盗用はないというわけだ。
こうした行為がどのような意味を持つのかは後段で考察するとして、まずは動画編集ツールの「FilmCraft」でどこまでの作業が可能なのか、検証してみる。
FilmCraftの現在地
10月10日に確認した時点では、FilmCraftの公式サイトでは最新バージョンに0.4の記載が見えるが、GitHubで公開されている最新バージョンは0.5であった。今回はこの0.5を「macOS」にインストールして試用している。
GitHubのREADMEには、「Adobe Premiere Pro をクリーンルームで再実装したオープンソースであり、純粋にRustで再構築した」と説明されている。ちなみに「Premiere Pro」は2025年、正式名称を「Premiere」に改称している。本稿では以下そのように表記する。
そうした経緯から、UIはPremiereとよく似ている。左端にソースクリップ、画面下にタイムライン、モニターは左がソース、右がタイムラインモニターとなっている。こうした構成はもともとPremiereが始めたものであり、すでに多くの編集用ソフトが同じ構成になっている。また作業工程に応じて画面レイアウトを変えるという構造も同じだ。
初期バージョン0.20では全てのメニューが英語で、ファイルブラウザも日本語のファイルがあると文字化けしていたが、0.5では一部のメニューが日本語になり、ファイルも日本語表記が通るようになった。
メニューは一部日本語で表示され、日本語のフォルダも文字化けせずに読める
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