MiniMaxが新AIモデル「MiniMax M3.1 Flash」を発表、AIエージェントの性能を強化しつつ利用コストを70%削減

中国のAI企業であるMiniMaxが2026年10月19日、新たなAIモデル「MiniMax M3.1 Flash」を発表しました。AIエージェントによる複雑な作業やプログラミング、PC操作、サイバーセキュリティ関連の能力を強化したほか、従来モデルと比べて推論速度を約3倍に高め、利用コストを70%削減したとしています。
MiniMax M3.1 Flash: Redefining Agent Performance and Cost - MiniMax Research | MiniMax
https://www.minimax.io/blog/minimax-m31f
MiniMax-M3.1-Flash - Intelligence, Performance & Price Analysis | Artificial Analysis
https://artificialanalysis.ai/models/minimax-m3-1-flash
MiniMax M3.1 FlashはAIが外部ツールやアプリケーションを操作しながら、複数の手順を必要とする作業を自律的に実行する「AIエージェント」向けに最適化されたモデルです。MiniMaxによると、匿名で運用され、200兆トークン以上を処理した「Space Bunny」は、MiniMax M3.1 Flashの初期バージョンだったとのこと。
MiniMaxはMiniMax M3.1 Flashについて、企業向け業務の自動化、ソフトウェア開発、PC操作、サイバーセキュリティなどの幅広い分野で性能が向上したと説明しています。特に複数のツールを使って実際の業務を完了する能力が強化されており、営業、マーケティング、顧客対応、財務、人事などの業務に活用できるとしています。
具体的な性能については、銀行業務に関連する複雑なタスクを評価する「BankerToolBench」で76.2点を記録しました。また、コードの理解から機能追加、バグ修正、テストまでを自律的に実行する能力を測定する「DeepSWE v1.1」では73.7%というスコアを達成しています。
PC操作能力を評価する「OSWorld V2」では61.7点、実際の専門業務に近い複雑なタスクを評価する「Agents' Last Exam(ALE)」では29.6点を記録し、いずれも中国製AIモデルの中で首位になったとMiniMaxは主張しています。さらに、脆弱(ぜいじゃく)性の発見や検証能力を評価する「CyberGym」では82%を達成したとのことです。
性能だけでなく、処理効率も改善されています。MiniMaxはモデルの計算処理をより効率化することで、通常の利用時に毎秒200トークン以上の出力速度を実現できると説明しています。また、出力速度の中央値も毎秒170トークン以上に達し、オンラインでの推論速度は従来モデルの約3倍になったとしています。
APIの利用料金は入力100万トークン当たり0.15ドル(約24円)、出力100万トークン当たり0.60ドル(約95円)、キャッシュされた入力100万トークン当たり0.015ドル(約2.4円)に設定されています。MiniMaxによると、AIエージェントを使ったタスク全体の実行コストは、従来モデルから70%削減されたとのこと。
AIモデルの性能を独立して評価しているArtificial Analysisによると、MiniMax M3.1 Flashは、複数のベンチマークを組み合わせた総合指標「Artificial Analysis Intelligence Index」で42点を記録しています。これは同じ価格帯のモデルの中央値である13点を大きく上回る結果で、評価対象となった173モデルの中で4位に位置しています。
Artificial Analysisの評価では、前モデルの「MiniMax M3」が29点だったのに対し、MiniMax M3.1 Flashは大幅にスコアを伸ばしています。また、企業の実務を想定したタスクを評価する「AutomationBench-AA」で73%、科学技術分野のプログラミング能力を評価する「SciCode」で53%、高度な知識や推論能力を測定する「Humanity's Last Exam」で48%という結果を残しています。
一方、Artificial AnalysisはMiniMax M3.1 Flashが回答を生成する際に大量のトークンを消費する傾向も指摘しています。総合評価における出力トークン数は約1億8000万で、同じ価格帯のモデルの中央値である約9900万を大きく上回りました。このため、APIの単価が安くても、実際の利用料金はタスクごとのトークン消費量に左右されます。
MiniMax M3.1 Flashは最大100万トークンのコンテキストウィンドウを備え、テキストと画像の入力に対応しています。すでにMiniMax API、サブスクリプションサービスの「M Plan」、AI開発ツールの「MiniMax Code」を通じて利用可能です。モデルの重みは今後公開する予定で、MiniMaxはさらに高度な知能を追求する「Pro」モデルも後日投入すると予告しています。
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