防衛費増「財源・国民理解が必要」 政府、産業基盤強化で新戦略―安保3文書改定の有識者会議
政府は27日、年末の安全保障関連3文書改定に向けた有識者会議の第5回会合を首相官邸で開き、防衛費増額を巡り議論した。日本を取り巻く安保環境の厳しさを踏まえれば増額は必須だが、安定財源の確保や国民の理解も不可欠だとの認識が複数の出席者から示された。政府側は「防衛産業基盤戦略」を新たに策定し「防衛と経済の好循環」を目指す方針を示した。
この日のテーマは「安全保障と経済財政」「国民の理解増進」。政府側は、平時に需要が少ない弾薬などを継続的に量産できる能力が防衛力の底上げにつながると説明。国が主体的に民間企業を支えるため、国内生産基盤の強化や防衛装備品の移転推進、技術革新の促進支援を一体的に扱う新法人を設立する考えを明らかにした。
出席者の1人は、防衛力強化に当たっては中核となる防衛費の積み増しに加え、経済安保、人工知能(AI)などに関する費用も防衛関連費として計上すべきだと指摘。別の出席者は「健全な財政を維持し、日本の財政規律に国際的な信頼が置かれることが安保政策の中核になる」と訴えた。
2022年に策定された現行の国家安全保障戦略は、27年度に防衛費と関連経費を合わせ、国内総生産(GDP)比2%とする目標を設定。高市政権は昨年、当初予定より2年前倒しで目標を達成した。トランプ米政権は同盟国に対し、防衛費を対GDP比3.5%以上に引き上げるよう迫っている。財務省や防衛省は、増額の規模や安定財源の詳細を検討する。
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