異例の事態に発展したトランプ氏とメディアの全面対決…取材禁止に対抗し、メディアが下した「代表取材拒否」の衝撃 | 政治・経済・投資 | 東洋経済オンライン

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「こんなクレイジーな現場、見たことない」
9月24日木曜日、米中首脳会談が行われる日の朝。ホワイトハウスに詰めかけ取材していたある記者は、現地の凄まじい大混乱の様子を、筆者にこう表現した。
米中首脳会談を取材しようと、多くのジャーナリストがホワイトハウスの敷地内に集まり、ごった返している中、アメリカ主要テレビ局はある重大な決断を迫られていた。中国の習近平国家主席がホワイトハウス南玄関に到着し、アメリカのドナルド・トランプ大統領が出迎えるという重要な政治的シーンを代表撮影するかどうかだ。

2026年9月25日(金)、米国ワシントンD.C.のホワイトハウス南玄関で行われた国賓訪問時の到着式典で、左から中国の彭麗媛大統領夫人、習近平国家主席、ドナルド・トランプ米大統領、メラニア・トランプ米大統領夫人。この取材をテレビプール(代表撮影)はボイコットした(写真:ブルームバーグ)
撮影担当者はカメラを持ち、三脚などの機材を準備し、ホワイトハウス記者会見室の外で待機していた。代表撮影のゴーサインが出れば、すぐに南玄関に駆けつけられるようにするためだ。習主席の到着時刻が刻一刻と迫る中、結局、撮影せよ、との指令が下ることはなかった。アメリカ主要テレビ局は、米中首脳の代表撮影をボイコットするという前代未聞の決断を下したのである。
トランプ大統領が報道機関3社(CNN、MS NOW、ポリティコ)に対してホワイトハウスでの取材禁止措置をとったことで始まった今回の国家権力とメディアの全面対決。メディア側が対抗策として放った「代表取材のボイコット」は、これまでの歴史にない極めて異例の手段だった。
ホワイトハウスで何度も代表取材を経験した筆者が、この前代未聞の対決の裏側と、それがもたらす本質的な危機をリポートする。
記事の続きでは、テレビカメラが取材をボイコットをした背景事情について分析します。後段では、昼間は国家権力とジャーナリズムのプライドをかけて公の場で徹底的に殴り合いながらも、夜や週末には狭いインナーサークルの中で人間関係を維持し続ける様子についてもリポートします。
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あべ たかあきTakaaki Abe
2000年、米国首都ワシントンDCに所在する大学院、ジョージ・ワシントン大学エリオット国際関係大学院修了。その後、日系メディアのワシントン支局にて20年以上、国際関係の報道に携わる。この間、ホワイトハウス・国務省・国防総省・米国議会などにおいて、日米関係を中心に取材し、6期連続アメリカ大統領選挙、ブッシュ(子)、オバマ、トランプ、バイデンという4人のアメリカ大統領の同行取材(計40回以上の海外訪問を含む)などを経験する。トランプ政権1期目、バイデン政権時においては、ホワイトハウスを取材する海外メディアグループの、日本人初かつ日本人で唯一の会長に選出され、米政府と海外メディアとの取材交渉と調整を担当。25年4月より、ワシントンDCを拠点とするフリージャーナリストに。
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