染色体分配に重要なたんぱく質 マウス卵子で発見―千葉大など
マウス卵子で発見したたんぱく質「OMC1」がないと染色体に異常が起きると説明する千葉大大学院医学研究院の石黒啓一郎教授=29日午後、東京都千代田区の文部科学省
卵子の前段階の卵母細胞が正常に減数分裂して染色体を分配する際に重要な役割を果たすたんぱく質をマウスで発見し、「OMC1」と命名したと、千葉大と熊本大、理化学研究所の研究チームが30日、国際科学誌ネイチャー・エイジングに発表した。
減数分裂がうまく進まずに胎児の染色体数が異常になると、ヒトでは早期流産やダウン症などにつながり、高齢出産(35歳以上)でリスクが上昇することが知られる。研究成果は、卵子の質が年を取るにつれて低下する現象の解明に役立つという。
千葉大大学院医学研究院の石黒啓一郎教授(元熊本大教授)によると、OMC1は染色体を束ねるたんぱく質複合体「REC8コヒーシン」を染色体につなぎ留めておく役割がある。
マウスの卵母細胞でOMC1をなくす遺伝子操作実験を行うと、染色体が異常に早く分離してしまい、受精後に正常な胚になる割合が大幅に低下した。一方、OMC1がない卵母細胞にOMC1を生み出すメッセンジャーRNAを注入すると、染色体の早期分離を抑えることができた。
石黒教授は「OMC1の遺伝子とよく似た遺伝子がヒトでも見つかっており、解明を進めたい。将来は卵子の質の低下を抑える技術につながる可能性がある」と話している。
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