NGK小林社長「半導体製造分野に集中投資する」…世界初のNAS電池から撤退、社名から祖業のガイシを外す真意を直撃 | ビジネス | 東洋経済オンライン

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世界で初めて実用化に成功した蓄電池から撤退。祖業の「ガイシ」を今年4月に社名から外し、現在主力の自動車向けから半導体製造向け製品へと収益構造の転換を急ぐ。NGK(旧・日本ガイシ) の小林茂社長に抜本変革を進める真意を直撃した。
――1年前の2025年10月末、赤字が続いたNAS(ナトリウム硫黄)電池事業からの撤退を決め、株式市場の評価は高まりました。
NAS電池は会長の大島卓や社長の私が長年手がけてきた事業。長寿命、大容量の電池で期待されていた。それをあっさりやめたので当社のことをよく知っている方はびっくりされたかもしれない。ただ私は営業畑なので、NAS電池を売ることの限界に割と早くから気がついていた。
特殊な部材を使うためコストが下がりにくいうえ、EV(電気自動車)の普及減速で中国のリチウムイオン電池の価格が破壊的に下がる寸前だった。そして、大口提携先が販売中止を決めた。むしろ決断が遅かったぐらいだ。

小林 茂(こばやし・しげる)/1961年生まれ。83年慶応義塾大学法学部卒業後、日本ガイシ(現NGK)入社。NAS営業部長やガイシ事業部長を経て、2020年取締役専務執行役員、21年より代表取締役社長(撮影:永谷正樹)
――撤退から得られた教訓は何でしょうか?
事業はやっぱり見直さないといけない。事業に携わるいろんな人の思いやしがらみはあるが、そこを断ち切ることが経営者には必要だ。今後は撤退ルールを定めて、基準に合わない事業は基本的に問答無用でやめていく。
リストラは、伸びる事業とオフセット(相殺)できるタイミングだとやりやすい。私は1990年代後半、祖業であるガイシ(電力向けの絶縁体)の工場をアメリカや中国で閉鎖するのに携わってきたが、ガイシは需要がゆっくりと衰えてきたためなかなか踏ん切りがつかなかった。
だが今回はNAS電池の需要が落ちる一方、足元で半導体関連の需要が急激に伸びている。これからは人も資金も設備も全部要る。今は、儲からない事業から伸びる事業にアセットを最適化できるチャンスだ。
デジタル領域へ3000億円投資
――30年度までの5年間で4500億円(21~25年度比で倍増)の設備投資を計画し、うち3分の2を半導体製造や電子向けのデジタル領域に振り向けます。
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はた たくやTakuya Hata
流通、石油、総合商社などの産業担当記者を経て、2016年から『週刊東洋経済』編集部。「ザ・商社 次の一手」、「中国VS.日本 50番勝負」などの大型特集を手掛ける。19年から『会社四季報 プロ500』副編集長。21年から再び『週刊東洋経済』編集部。24年から8年振りの記者職に復帰、現在は自動車業界を担当。アジア、マーケット、エネルギーに関心。
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