[ITmedia ビジネスオンライン] 「皿になるフライパン」の開発秘話 燕三条の老舗メーカーに聞く“当たり前”を取り払った商品の生み出し方は?
そうした道具の「当たり前」を取り払い、一つにした商品が、和平フレイズの「Hetta!」(ヘッタ)だ。皿のような形状の本体をコンロに直接かけて調理し、ハンドルを外せばそのまま食卓に出せる。
開発の背景にあるのは、世帯人数の減少や、調理・後片付けにかける手間を減らしたいという生活者のニーズの変化だ。同社では市場データに加え、開発担当者を一人の消費者と捉え、家族や友人などの身近な声も商品企画に取り入れる。
「2025年度に発売した新商品は自社ブランドだけで223種類。これ以外にプライベートブランド(PB)商品の開発もあります」という和平フレイズは、どのように生活者の変化を捉え、商品に落とし込んでいるのか。同社のショールームを訪ね、担当者に商品開発の裏側を聞いた。
「フライパンの定番」の変化
和平フレイズは1951年創業。金属加工の産地として知られる新潟・燕三条に本社を構え、フライパンや鍋をはじめとした調理用品を企画・販売するメーカーだ。自社工場を持たず、製造を外部に委託するファブレス企業で、スーパーやドラッグストア、ディスカウントストアなどへの卸売りを主力としてきた。近年はECの売り上げも伸びている。
同社が開発した商品は、2025年時点で約4600種類に上る。これはサイズや仕様違いなどを含む数字だが、他社メーカーの商品を含めた総取扱数は1万SKU(品目数)を超えている。
同社が近年感じている変化の一つが、フライパンの定番の変化だ。「これまで家庭用では26センチの浅型が一般的でしたが、近年は一回り小さい24センチの深型へと需要が移りつつあります」と、マーケティング部を率いる伊東泰介氏は言う。
和平フレイズ マーケティング部長の伊東泰介氏(左)と、マーケティングチーム マネジャーの柳京花氏(筆者撮影)
背景の一つとして同社が挙げるのが世帯人数の減少だ。「なるべく物を増やしたくない」「一つの調理器具をいろいろな用途に使いたい」というニーズが高まっているとみている。
深型フライパンなら、焼く、炒める、煮る、ゆでる、蒸すなど、さまざまな調理に対応できる。多用途であるため、従来は別の調理用具だった「鍋」と「フライパン」の境界も曖昧になりつつある。
同社によれば、深型フライパンが市場に広がったのは17~18年ほど前。現在は各社が商品を展開し、競争の激しいカテゴリーになっている。和平フレイズでも深型フライパン「メガフッカNEO」を展開しており、2025年の販売数は前年比118.9%となった。
KioskNews shows a cleaned-up reading view extracted from the publisher’s page — the original always lives on their site, not ours.

