テクノロジー企業がデータセンターのエネルギーコストを負担しなければならないとする法案が進行中
今回イスラエルの研究チームは、少数派であることが女性起業家が携わる企業にどのような影響を与えるのかを調べました。これまでの研究では、女性起業家は資金調達や融資額といった点で困難を抱えていることが示唆されています。
研究チームが着目したのは、起業家としての自己認識を形成する過程で形成される「起業家アイデンティティ」という概念です。起業家が男性中心なものである場合、女性企業家が「自分が異質な存在である」と認識してしまうことが、イグジットにつながるような野心の追求や経済的リスクの負担を阻害する可能性があるとのこと。
研究チームはイスラエルのテクノロジー系スタートアップを追跡するIsrael Venture Capitalのデータベースを使い、1990~2014年に活動していた3743社のデータを収集。このうち2019年まで事業を継続していた企業について創業者の中に女性が含まれているかどうかを調べ、その後のイグジット率との関連性を分析しました。
イグジットの達成には創業者の性別以外にも学歴・経験・企業の設立年数・従業員数・資金調達ラウンド・投資家・業界・発展段階といった特性が影響する可能性があります。そこで、研究チームは各特性を照らし合わせて類似した企業同士を比較する傾向スコアマッチングという手法を採用しました。
分析の結果、創業チームに女性がいるスタートアップは男性しかいないスタートアップと比較して、一貫してイグジット率が低いという傾向がみられました。女性創業者がいないスタートアップのイグジット率は14%でしたが、1人の女性創業者がいるスタートアップでは8%、2人の女性創業者がいるスタートアップでは4%にとどまりました。一方、2019年でもスタートアップが存続している確率は、女性創業者がいる場合の方が高くなりました。
しかし、女性が創業チームとは別に経営管理職にも就いたスタートアップでは、この傾向は逆転しました。女性創業者が1人いて経営管理職にも女性がいるスタートアップのイグジット率は14%に達し、女性創業者が2人いて経営管理職にも女性がいるスタートアップでは20%に上昇しました。しかし、女性創業者がいるスタートアップに男性の経営管理職を置くだけでは、同様の変化が起きなかったと報告されています。
研究チームは今回の結果について、「女性創業者が異質な存在として際立つ状況だとイグジットに向けた大胆な行動が阻害されてしまうが、女性が経営幹部の役割も担うようになると社内環境が変化し、女性であることと起業家であることの葛藤が緩和されるのではないか」と推測しています。
なお、今回の研究はあくまで観察研究であり、「女性創業者が女性の経営管理職を置くとイグジット率が上がる」という因果関係を証明したわけではない点に注意が必要です。イグジットに関連する市場や投資家らの偏見などが、結果に影響した可能性もあります。
その上で心理学系メディアのPsyPostは、「イグジットを目指す女性創業者にとっては、他の女性を含む経営チームを構築することが有益となる可能性があります。これにより、野心的な戦略的行動を支える社内環境が整うかもしれません」と述べました。
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