金正恩氏、謎を呼ぶ日帰り訪中 「対米」巡り分かれる見方
24日、中国遼寧省丹東市で、朝鮮戦争参戦を記念した「抗美(抗米)援朝記念館」を訪れる北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(左から2人目)(朝鮮通信・時事)
【ソウル時事】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は24日の訪中を通じ、中国との「血盟」関係と、経済協力による「実利」をアピールした。習近平国家主席と会わずに帰国するのは初めて。25日は中国軍の朝鮮戦争参戦記念日だが、今年は76周年で大きな節目ではなく、当日を待たず日帰りで帰国した。専門家からは「謎が多い」との声が漏れる。
正恩氏は完工から12年を経て今月開通した新鴨緑江大橋を車で通過し、遼寧省丹東市で朝鮮戦争を記念する博物館を訪問した。
ロ朝関係の緊密化でやや疎遠になっていた中朝関係は、昨年9月の正恩氏の訪中以降、急速に改善。車での訪中は初めてで、気軽に行ける「近さ」を印象付けようとした可能性もある。韓国の林乙出・慶南大極東問題研究所教授は「新橋を通じた貿易・経済協力拡大への意志と期待を反映している」と指摘した。
今回の会談相手は習氏でも李強首相でもなく、序列4位の王滬寧・全国政治協商会議主席。共産党の重要会議が26日に開幕するため、習氏は北京を離れられなかったとみられる。
2018~19年、正恩氏は米朝首脳会談の前に訪中し「作戦会議」を行った。今回の訪中も、中国で11月に開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に際した米朝会談の布石との観測がある。
しかし、林氏は「米朝首脳会談を巡り協議した可能性は極めて低い。正恩氏の行動から米朝会談を意識した形跡は見いだせない」と分析した。
中朝関係に詳しい消息筋は「急いで訪中を決めた節がある」と話す。米朝対話を仲介しようと、中国がAPECの際の正恩氏訪中を呼び掛けているという情報もあるといい、「対米関係を議論した可能性もあるし、礼を失しないよう正恩氏自ら『欠席』を伝えたことも考えられる」と述べた。
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