猛スピードで海面に突撃する鳥の背骨はなぜ折れないのか?
Reinforced vertebrae allow plunge-diving seabirds to survive high-speed impact
https://phys.org/news/2026-10-vertebrae-plunge-seabirds-survive-high.html
ワシントン大学の研究チームは「カツオドリ」を対象に調査を行いました。カツオドリは全長約70cmほどの鳥で、上空30mから魚を探して海面を見渡し、魚の群れを見つけると急降下し時速113kmで海面に突入します。もちろん、首の骨を折ることはありません。
カツオドリは頭部と首にかかる非常に大きな圧力に耐えられるようにできていて、この圧力によって頸椎が圧縮されるとのこと。人間が行う建築工学では、圧縮に耐える構造物には短く太い形状を採用しますが、カツオドリの首は長く細く、複数の椎骨で構成されているのが特徴だそうです。
カツオドリの首には15個の椎骨が積み重なっており、全体としてわずかにS字状に湾曲しています。これまでの研究では、椎骨の周囲にある筋肉が衝撃に備えて椎骨を固定することが示されていますが、潜水する鳥類の首が実際にどう機能するのかを調べた研究はほとんどなかったそうです。
そこで研究チームは大学が運営する博物館から潜水する鳥類と潜水しない鳥類の標本を収集し、CTスキャンを実施して頸椎の詳細な3次元モデルを作成。幾何学的形態測定法という統計的手法を用いて画像を分析しました。
その結果、フクロウやハトのように頭を左右に回転させたり前後に動かしたりする鳥類と、カツオドリのように頭部を圧縮力にさらす鳥類では明確な違いが見られたとのこと。急降下して潜水する鳥類は頑丈な椎骨を持っていて、厚く、幅広く、さらに短くなっており、正方形に近い形状をしているそうです。このように「ずんぐりした形状」が、骨を支えていたといいます。
また、第2頸椎から第6頸椎には関節面と呼ばれる接触面が存在することも確認されました。研究チームは、この関節面が、鳥が斜めの角度で水面に衝突した際に首が後方に曲がるのを防いでいると考えています。
研究チームはカワセミなどほかの潜水する鳥類にもずんぐりした形状の椎骨があることを確認しましたが、関節面は検出されませんでした。カワセミはカツオドリとは異なる科に属し、体もはるかに小さい種です。
今後、研究チームは首の内部で力がどのように伝達されるのかをさらに詳しく調べるとしています。また、骨の構造についての研究が進めば、化石として見つかった種がカツオドリと同じように急降下して潜水する習性を持っていたかを特定することもできると期待されています。
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