[ITmedia ビジネスオンライン] なぜ「半導体の供給はデータセンター優先」に見えるのか AIブームの実像、東京エレクトロン デバイス幹部が明かす
AI市場の拡大を受けてデータセンターの拡張、新設が世界各地で広がっている。巨額の投資マネーが半導体業界や周辺領域を潤す一方で、データセンター関連の旺盛な需要によって電子デバイス製品が不足しているという声もある。
「AIサーバ、AIデータセンター向けに優先的に供給することは基本的にない」――こう断言したのは、半導体やIT機器の専門商社、東京エレクトロン デバイスの長谷川雅巳氏(コーポレートオフィサー 執行役員副社長 コーポレート営業統括 EC BU/BUGM)だ。
同氏は10月29日、2027年3月期中間決算(4~9月)の説明会で、半導体や電子デバイス製品の供給状況について説明。需要が高止まりしているこれら製品について、その流通を担う立場から見解を示した。
売上高が前年同期比30.9%増 「半導体製造関連が寄与」
東京エレクトロン デバイスは、半導体製造装置メーカーの東京エレクトロンから分社化した技術商社。半導体や電子デバイスの販売、自社製造を手掛ける「EC事業」と、ネットワークやセキュリティなどコンピュータシステム製品の販売、保守サービスを提供する「CN事業」を中核とする。
2027年3月期中間決算の内容は、売上高が前年同期比30.9%増の1259億5800万円、営業利益が同114.0%増の76億2100万円、純利益は同93.7%増の49億9800万円だった。中間決算を踏まえて業績予想を上方修正し、通期純利益は従来予想から17.0%増の110億円を見込む。
2027年3月期中間決算の内容(出所:2027年3月期 中間決算説明会資料)
EC事業の売上高は同35.3%増の1042億8200万円、セグメント利益は同321.5%増の44億6200万円を記録した。同社の宮本隆義氏(社長)は「産業機器が大きく伸長し、その中でも半導体製造関連が売り上げに寄与した」と説明した。
CN事業は、売上高は同12.9%増の216億7500万円、セグメント利益は同10.8%増の28億9100万円だった。顧客のIT投資が堅調に推移しており、ネットワーク製品、セキュリティ製品、保守・管理サービスが売り上げを支えた。
中間決算説明会に登壇した東京エレクトロン デバイスの宮本氏(画像:説明会動画のキャプチャー)
AIブームの実像、技術商社はどう見ているか
決算説明会の質疑応答で、データセンターや半導体を巡る現況を尋ねる質問が上がった。その一部を紹介する。
――半導体チップや半導体製造装置のメーカー各社が「AIエージェントの利用拡大によってCPU需要が増加している」と発信している。一時の“GPUブーム”からCPUへと需要が変化しているのか。
長谷川氏 従来はGPU10基に対してCPUなどのプロセッサを1~2基搭載する使い方だった。AIエージェントなど生成AIの計算方法が変わったことで、GPU10基に対してプロセッサ5~6基を使うなど、プロセッサの採用比率が上がっている。
また、エッジ側でAI処理する動きが活発化している。特に製造業における製造装置や検査装置などでエッジAIの検討が進んでいる。その領域で、私たちが手掛けているプロセッサやサポート、サービスの需要が高まれば、当社のビジネスが拡大する。
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