AIデータセンターが米中間選挙の一大争点に…「AIのコスト」を地域住民に押し付ける構図に反発の声 | 政治・経済・投資 | 東洋経済オンライン

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本連載では、アメリカにおける政治・経済の深層と、ビジネスの未来を方向づける最新トレンドを、日本のリーダー層に向けて発信していく(隔週月曜日)。今回はアメリカの中間選挙で大きな争点となっている「AIデータセンター建設ラッシュ」について取り上げる。
本連載では、アメリカにおける政治・経済の深層と、ビジネスの未来を方向づける最新トレンドを、日本のリーダー層に向けて発信していきます
アメリカは、AI覇権をめぐる世界的な競争で先頭に立とうとしている。だが、そのために不可欠なインフラであるデータセンターは、全米各地で強い抵抗に直面し始めている。
ドナルド・トランプ大統領は、アメリカのAI開発を遅らせかねない規制に反対する論拠の中心に、中国との技術競争を据えている。
「AIを制する者が勝つ」と述べ、AIを中国との地政学的・経済的競争を左右する中核的な要素と位置づけているのだ。アメリカのAI開発を実質的に減速させる政治的制約を課せば、重要な戦略的優位を失いかねない、というものだ。
トランプ大統領はデータセンターを「今後50年の石油」と表現
ところが、AI覇権をめぐる国家レベルの競争は、それを支えるインフラに対する地域社会の抵抗と、次第に正面から衝突するようになっている。
AIには膨大な計算能力が必要であり、それを支えるにはデータセンターと電力、さらに多くの場合、大量の水と土地が欠かせない。トランプ大統領はデータセンターを「今後50年の石油」と表現する一方、受け入れを拒む地域社会は投資と雇用を失いかねないと警告している。
トランプ大統領は反対姿勢を改めて鮮明にし、こう述べた。「AIとデータセンターを標的にした、実に異常な陰謀が進行している。そして、それを喜んでいるのは中国だけだ」。さらに、「AIが世界を乗っ取り、人類を滅ぼすなどという、AIにまつわるあらゆる悪い話は、すべてでっち上げ(HOAX)だ」とSNSに投稿した。

9・11の式典に参加したバラク・オバマ元大統領
これに対し、バラク・オバマ元大統領は民主党に対し、AIとデータセンターへの規制強化を訴えるよう促している。こうしてAI規制とデータセンター建設は、2026年中間選挙でも緊張をはらむ争点となっている。
AI経済において、データセンターは不可欠な基盤だ。しかし、データセンターをめぐる対立は、巨大な計算施設をどこに建設するかという問題にとどまらない。それは、AIそのものをめぐるより大きな論争の代理戦となっている。
AIの進歩をどこまで加速すべきか。政府はどの程度まで規制すべきか。AIが生み出す莫大な経済的利益をどう分配すべきか。そして、AIの将来を形づくる政治制度に対し、テクノロジー産業がどこまで影響力を行使すべきか、という問いである。その根底には、さらに根本的な問いがある。AI革命が生み出す経済的利益を誰が手にし、そのコストを誰が負担するのか。
利益はAIエリートに集中、コストは地域住民が負担
アメリカでは、AIに対する不安が強まっている。
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きょうごくやすのぶYasunobu Kyogoku
VCファンド「イノベーション グローバル キャピタル」を創業し、代表取締役を務める。サンフランシスコ バレエ団とde Young美術館の理事。コロンビア大学卒業後、オックスフォード大学大学院及び東京大学大学院にて政治経済学を研究。その後、ベイン、森ビル、ファーストリテイリングにて要職を歴任し、企業経営とグローバル戦略に携わる。現職では、経営現場で培った知見を活かし、独自の投資哲学に基づいた「持続的な価値創造」に取り組んでいる。シリコンバレーを拠点に、AI、業種特化型ソフトウェア、デジタルヘルスケア、サイバーセキュリティ、次世代コンシューマービジネスなど、革新的分野への投資・成長支援を主導。「より良い社会の実現」にパッションを持ち、慈善資金とボランティア活動を支援。国際政治・経済・先端技術に精通するグローバル・エキスパートとして日本のリーダー層に向けて講演・セミナーを多数開催している。日本語・英語の完全バイリンガル。仏語は読解と聴解に堪能。長年の滞米経験により、西海岸の政財界・文化界のエスタブリッシュメントと広範なネットワークを構築。ビジネスや私生活で両国間を頻繁に行き来する。
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