野党首相候補もタカ派 対ガザ戦略を提唱―アイゼンコット元参謀総長・イスラエル総選挙
22日、エルサレム旧市街のユダヤ教聖地「嘆きの壁」を訪れたアイゼンコット元イスラエル軍参謀総長(中央)(AFP時事)
【エルサレム時事】27日に行われるイスラエル総選挙(定数120)で、ネタニヤフ首相(77)の右派政党リクードを抑えて第一党となる可能性がある中道野党ヤシャル。党首のアイゼンコット元軍参謀総長(66)の「誠実で素朴」(イスラエルメディア)な印象が人気の源泉だが、かなりのタカ派だ。パレスチナ自治区ガザでの苛烈な軍事作戦につながる戦略の提唱者としても知られる。
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◇モロッコにルーツ
アイゼンコット氏は、イスラエルのエリート層では少ない中東・北アフリカ地域にルーツを持つユダヤ人。モロッコ系の家庭に育ち、18歳からの兵役を経て正式に軍に入り、精鋭部隊「ゴラニ旅団」の司令官などを歴任した。2015年~19年にネタニヤフ氏の下で参謀総長を務め、22年の前回総選挙で別の中道政党の国会議員となった。
23年に始まったガザでの軍事作戦では戦時内閣に入り意思決定にも加わったが、ネタニヤフ氏と対立し離脱。息子とおい2人をガザで亡くし、「痛みを分かつ指導者」として国民からの信頼が増した。
かねて屈指の戦略家として知られ、06年のイスラエルによるレバノン侵攻後、民間人の住居や施設がある地域でも、敵対勢力がいれば圧倒的軍事力で徹底的にたたく「ダヒヤ・ドクトリン」を提唱した。ガザでの作戦にも適用され、壊滅的被害につながったと指摘される。また、大規模衝突を未然に防ぐため、平時から先制攻撃で潜在的脅威を排除する戦略も体系化。現在のイスラエルの安全保障戦略を築いた人物の一人だ。
◇イランで「殺害区域」構想か
アイゼンコット氏は今月17日、地元テレビで「私はテロリストとの戦い方を知っている」と自負した。同氏は先に、首相に就任すれば18カ月以内にガザでイスラム組織ハマスの軍事部門を「破壊する」と表明。トランプ米大統領が主導する和平計画に沿った行動か、「軍と作戦能力の使用」の二つの選択肢があると強調した。
占領地ヨルダン川西岸では、ユダヤ人入植者によるパレスチナ住民への暴力には厳しく対処する立場で、暴力を黙殺することが多い現政権との違いを見せる。ただ、パレスチナ国家樹立には反対の立場で、国際法違反とされる入植活動を基本的に支持している。
対イランでも強硬だ。高濃縮ウラン関連施設の周辺に「殺害区域」を設け、イラン側で動きがあれば攻撃する案を構想しているとの報道もある。
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