初の女性棋士誕生、西山朋佳女流四冠が棋士編入の権利を行使

将棋の女流タイトル戦のうち白玲、清麗、女流名人、女流王将を保持する西山朋佳女流四冠が、「白玲を通算5期獲得した女流棋士に棋士の資格を認める」という規定により得た権利を行使することを表明。日本将棋連盟は申請を受理し、将棋史上初めての女性棋士が誕生しました。
資格を行使し、棋士としてフリークラスに編入いたしました。
— 西山朋佳 (@TMK_0627) October 26, 2026
Xを開くと温かい応援の言葉が目に入り、大変嬉しく、励まされる思いです。
心より感謝申し上げます。
これからは女流棋士としての到達点をさらに更新できるよう、そして棋士として必要とされる存在になれるよう、精進してまいります。
改めまして、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

プロの将棋「棋士」となるためには、日本将棋連盟の棋士養成機関である奨励会を経由して四段以上に昇進するか、公式戦成績が最もいいところを切り取って「10勝以上かつ勝率6割5分以上」となったときに受験資格を得る棋士編入試験に合格するかする必要があります。
西山女流四冠は2010年に関西の奨励会に入会。6級からぐんぐんと昇進して、2014年で初段、さらに二段に昇段し、2015年に三段になりました。
奨励会の三段は、半年で18局指し、その成績の上位2人が四段に昇進してプロ入りできる「三段リーグ」を戦うことになります。西山女流四冠は四段昇進まであと一歩の3位(次点)を獲得し、次点2回獲得でも四段に昇進できるところでしたが、2回目の次点を得ることなく「満26歳の誕生日を含むリーグ終了日までに四段になれなかった場合は退会」という制限を前に、女流棋士に転向しました。
三段時代から女流棋戦にも参戦し、2018年に初タイトルの女王を獲得し、翌2019年には2014年4月から2018年月まで奨励会三段リーグに所属した経験のある里見香奈女流四冠の挑戦を下して初防衛に成功しています。
以後、「里見(2024年から福間姓で活動)vs西山」は女流タイトル戦の黄金カードとなり、2026年10月まで行われたヒューリック杯白玲戦の5局分まで含めて福間女流四冠が59勝、西山女流四冠が56勝というほぼ互角の対戦成績となっています。
今回、西山女流四冠は記者会見冒頭のあいさつで棋士編入の資格行使について、「このたび、棋士編入の資格を行使して、フリークラスに編入することを決めました。2週間というお時間をいただく中で、いろいろなことを考えまして、日ごろよりお世話になっているたくさんの皆さま、先輩棋士であったり女流棋士、師匠、お世話になっている周りの方々に温かい後押しをいただいて、私の中に最後に残ったのは、もっと強い方と戦いたい、そしてこれからもっと上を目指す戦いをしてみたいという気持ちでした。その気持ちを大事にしたいと考え、今回、行使することを決めました」と語りました。
三段リーグから四段昇進の場合、5クラスある順位戦リーグの「C級2組」に所属となりますが、今回の仕組みでは枠外のフリークラスへの編入となります。フリークラスからは「1年間(4月~翌3月末)に参加棋戦数+8勝以上の成績を挙げ、なおかつ勝率6割以上」「いいとこ取りで30局以上の勝率が6割5分以上」「年間対局数が(参加棋戦数+1)×3局以上、ただし同一棋戦・同一年度で2度の対局がある場合は1棋戦としてカウント」「全棋士参加棋戦優勝、タイトル戦(朝日オープン将棋選手権含む)挑戦」の条件を満たすとC級2組に昇級できます。
質疑応答で目標について問われた西山女流四冠は「フリークラスの脱出、と大きなことを言えるといいのですが、これまでも私自身、目の前の一局一局を全力で指すというスタンスを崩さずにやって来ましたので、これからもそういったことを心掛けてやっていくことになるのかなと思います。その積み重ねの先が結果につながると理想的かなと思います」と述べていました。
なお、今後増加することになるであろう対局のスケジュール調整等については、日本将棋連盟の片上大輔理事から、大きな課題になるとは認識しているものの現時点では未定で今後主催者との調整をしていくことになる旨の説明がありました。
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