ロシア、夏に日本領事館員標的 敵視の末、記者「スパイ容疑」か―27日で拘束2週間
【図解】ユジノサハリンスク
ロシア当局が北海道新聞記者を「スパイ容疑」で拘束したと発表して27日で2週間となる。記者が駐在した極東ユジノサハリンスクでは今夏、元日本総領事館員のパソコンから「ロシアでのスパイ活動」の記録が流出したとの未確認情報が取り沙汰された。当局によるでっち上げの疑いもあり、対日敵視の延長線上に今回の記者拘束があるもようだ。
政権系メディアは7月、SNSで「ハッカーが(元館員の)パソコンデータを盗んだ。ダークウェブ(匿名性の高いインターネット空間)で販売されている」と主張。「日本の情報機関がロシア人を監視していることが明らかになった」と決め付けた。
同月にはこれより先、ロシア航空大手アエロフロート東京支店社員が米紙報道で「情報将校」と名指しされ、日本を出国していた。政権系メディアの発信には「報復」の狙いが透けて見える。
政権系メディアは、「現代の忍者があらゆる情報を集めていた」と断じたが、証拠として画像で示した「流出データ」は、2017年当時の一般人同士とみられる通信アプリのやりとりが中心。日本側に有益な資料とは言えず、ロシア当局が国内の監視記録を日本語に訳し、元館員の「情報活動」に偽装してリークした可能性もある。
元館員は既に帰国していたが、総領事館前では「反日デモ」が展開された。その後、プーチン大統領が8月に北方領土を初訪問し、ロシア当局は今月13日、邦人記者を拘束してモスクワに移送する映像を一方的に公開。「スパイ」と印象付けるのに躍起だ。
高市早苗首相は15日、日本側がロシアでスパイ活動を行っている「事実はない」と否定した。駐在する日本人外交官らはこれまで以上に慎重さを求められており、現場から「今はあまり動かない方がいい」との声が漏れる。
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