中国語を使うハッカーがAIエージェントで日本企業などにハッキングして100件近い攻撃に成功していたことが判明
ファーゲルランド氏はCairnの意図せず公開されているインスタンス(パネル)をウェブ上でスキャンしたところ、複数のハッカーがCairnを利用してハッキングを仕掛けていることを発見。2026年10月2日頃から悪意のあるパネルを20件以上特定し、ハッカーらがAIをどのように利用しているのか、どのような企業やウェブサイトをターゲットにしているのかを監視しました。
以下の図は、Cairnを利用したハッキングの進行状況を示したもので、左上の緑色のボックスがハッキングの開始地点、紫色のボックスが探索中に見つけた事実およびヒント、右側の赤色のボックスがハッキングの目標地点です。Cairnは目標に向かう過程でさまざまな経路を探索し、利用可能と思われる脆弱(ぜいじゃく)性をさまざまな角度から特定して、最終的にハッキングを成功させます。
ファーゲルランド氏が発見したハッカーはすべて金銭的な動機を持っていた可能性が高く、国家による侵入活動とみられるものはありませんでした。中でも盛んに活動していたのが「AIA0001」という識別番号が付与されたハッカーであり、運用しているパネルは14個、攻撃プロジェクトは1100件以上、使用している言語は中国語でした。
AIA0001は主にアメリカ・日本・オーストラリアの幅広い組織を標的としており、特に電子商取引/決済インフラへの永続的なアクセス権を獲得しようと試みていました。ハッキングは高度に自動化されており、中国語を使った自然言語でCairnに指示を与えていたとのこと。
以下はAIA0001がCairnに与えた指示の一例です。アメリカ・カナダ・日本・オーストラリアに存在するアクセス数が20万~150万のeコマースサイトを標的として、ハッキングに利用可能な脆弱性を探すように指示しています。
AIA0001は1100件以上の攻撃プロジェクトを実行し、約8.4%に相当する96件のプロジェクトで攻撃を成功させたと報告されています。ファーゲルランド氏が特定した他のハッカーを合わせると、攻撃プロジェクトは1200件以上に達し、130件以上の攻撃が成功したとみられます。
ファーゲルランド氏によると、Cairnを利用したハッキングが成功するまでには約23時間ほどしかかからず、その手口には既存ツールを転用するだけのハッカーでは思いつかないようなものもあったとのこと。ハッカーらは一連のキャンペーンでわずか5000ドル(約79万円)ほどのトークンしか使用しておらず、成功したハッキング1件あたりのコストはわずか50ドル(約7900円)程度でした。
ファーゲルランド氏は一連の攻撃で被害に遭った企業の名前は伏せていましたが、海外メディアのロイターはCairnでのハッカーの活動を独自調査し、農業機械メーカーのディア・アンド・カンパニー、家電メーカーのシャークニンジャ、エンジンメーカーのカミンズなどが被害に遭ったことを特定しました。
ディア・アンド・カンパニーはロイターに対し、ハッキングを受けて是正措置を講じており、機密情報にアクセスされた形跡はないと回答。シャークニンジャは製品サポート情報のみを掲載している独立したウェブサイトのみが標的となったものの、脅威は封じ込められたとしています。カミンズは、サードパーティーベンダーが運営するウェブサイトがサイバー攻撃を受けた可能性があるものの、報告を調査している最中だとしています。
また、ロイターはCairnの作者である「le1xia0」というハンドルネームで活動する人物にもメッセージを送りましたが、質問への回答はなかったとのことです。
KioskNews shows a cleaned-up reading view extracted from the publisher’s page — the original always lives on their site, not ours.



