NBA優勝記念リングを「無料プレゼント」と社員にメールするも実はフィッシング訓練で運営会社が謝罪
2026年9月下旬、ニックスの運営会社であるマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)の従業員に向けて「おめでとうございます。あなたの従業員用優勝記念リングが完成しました」というメールが送られたとのこと。メールには「MSGから従業員に優勝記念リングを無料で贈呈します。選手用と同じ宝飾職人が同じ品質で製作し、あなたの名前も刻印されます。費用は一切かかりません」と記載されていました。
さらに「チャンピオンシップ・ゴールド」と「ガーデン・クラシック」という2種類のデザインが画像付きで紹介されており、メール内のリンクから好きなデザインを選択するよう案内されていたそうです。
しかし、リングを受け取ろうとリンクをクリックした従業員を待っていたのは優勝記念リングの申し込みページではなく、セキュリティ研修への参加を求める通知でした。メールは従業員が不審なリンクを見抜けるかどうかを確認するためにMSGが実施したフィッシング訓練だったというわけです。
フィッシング詐欺は企業やサービスの関係者になりすましたメールなどを使って偽サイトに誘導し、パスワードや個人情報を盗み取る手口です。企業では従業員が詐欺メールにだまされないようにするため、実際の攻撃を模したメールを送り、リンクをクリックした従業員に追加の研修を受けさせる取り組みが行われています。
MSGも過去にフィッシング詐欺によって従業員のログイン情報を盗まれ、ハッカーから金銭を要求される被害に遭っていました。今回の訓練は同様の被害を防ぐために実施されたものだったとのこと。
一方で、NBAでは優勝したチームの従業員にも記念リングが配られる場合があるため、無料のリングを贈呈するという案内には一定の信ぴょう性がありました。訓練メールに不審な送信元アドレスなどの見分けるための手掛かりが含まれていたかは不明です。
なお、過去にはウェブサービス企業のGoDaddyが従業員にボーナスの支給を知らせる偽メールを送信し、実際にはフィッシング訓練だったとして批判を浴びた事例もあります。
偽の「ボーナス通知」が従業員を試すために送信され「邪悪すぎる」と話題に - GIGAZINE
今回の件についてMSGの広報担当者は「ハッカーに対するセキュリティを強化するため、従業員にフィッシング詐欺を模したメールを送信しました。しかし、従業員の注意を引くために優勝記念リングを利用したのは不適切な判断でした」と述べ、訓練の内容に問題があったことを認めました。
また、MSGは選手やコーチ、従業員などに対して275点以上の優勝記念リングや宝飾品を贈呈する計画も明らかにしています。総額は370万ドル(約5億6000万円)を超えるとのこと。
なお、2026年10月20日に開催された優勝記念式典では一部のアシスタントコーチに中身が空のリングケースが渡されていたことも報じられています。MSGによると、選手以外の関係者への記念品は式典から4~6週間ほど後に贈られる予定とのこと。また、優勝記念リングを使ったフィッシング訓練については「従業員に会社の情報資産を守るよう注意を促したことは間違いではありませんが、記念リングを利用したのは誤りでした」と説明し、従業員とファンに謝罪しています。
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